短編集『百瀬、こっちを向いて。(中田永一 著)』の感想レビュー。
もくじ
百瀬、こっちを向いて。
あらすじ
信頼する宮崎先輩の二股を偽装するために、百瀬と付き合うふりをすることになったノボル。
百瀬も承知の上だけど、宮崎先輩の本命は神林先輩。
百瀬もその事には気が付いているけれど、気の強い彼女はノボルとの偽装カップルを了承した。
カップルを周りに印象付けようと学校内で積極的に近づいてくる百瀬。
非モテのノボルは周りにの反応に辟易していくのであった。
それでも百瀬と交流していくうちに、友情、愛情?感情が芽生えてきて・・・
感想
そんな中、宮崎先輩、神林先輩、百瀬、ノボルとでダブルデートをする展開に。
何も知らないのは神林先輩だけ・・・
気まずい思いをするノボルだったけど次第に神林先輩とも打ち解ける事ができた。
最後、何も知らないと思っていた神林先輩だったけれど?
一体、だれが一番滑稽だったのかな?
なんて思ってしまう。
百瀬とのカップル解消のタイミング。
ノボルの勇気を出した一言が二人の関係を変えるのであった。
なみうちぎわ
あらすじ
高校生の百合子は、小学六年生で登校拒否児の小太郎の家庭教師をやることになった。
次第に打ち解けていく二人だが、小太郎は百合子の気を引くため、海で溺れたフリをした。
百合子は小太郎を助けるために海に飛び込み、逆に溺れてしまい、意識不明になってしまった。
目覚めた百合子が見たものとは・・・
感想
自分が原因とは言え、五年間も昏睡した他人を毎日お見舞いにいけるだろうか?
淡い恋心がなせる業か。
キャベツ畑に彼の声
あらすじ
学校の先生が小説家だった!?
叔父の紹介で文字起こしのアルバイトを始めた久里子。
音声データの中に著名な小説家北川誠二のインタビューデータがあった。
文字起こしのために音声を聞いてみると、その声は高校の国語教師にそっくりだった。
覆面作家として私生活が何も表に出てこない北川誠二の正体を知ってしまった久里子。
そのことを国語教師に伝えてみるけれど・・・
感想
覆面作家、北川誠二は誰?
二転三転する展開が面白い。
久里子のは恋だったのか、憧れだったのか。
小梅が通る
あらすじ
美人過ぎて同級生に嫌われていた柚木。
転校を機にブサメイクで地味女を演出し、クラスに紛れていた。
ある日、プライベートで通常メイクに戻し、両親と外食をした際、同じクラスの山本に見つかってしまう。
とっさに妹の小梅だと嘘をついてその場をやり過ごすが、翌日、山本から「妹に合わせてくれ」と問い合わせが来るようになってしまった。
柚木は、平和な学校生活を守ることができるのか・・・
感想
美人には美人にしか分からない悩みがある。
そして気づいてしまった。内面を見て自分を好いてくれる人が居ないことを。
それが覆っていく過程が面白い。