日記

【夏の庭】死体を見たい子供たち。死にそうな独居老人を観察しよう!【湯本香樹実】

『夏の庭-The Friends-』文庫表紙

『夏の庭―The Friends―(湯本香樹実 著)』の感想レビュー。

あらすじ

この世界には隠れているもの、見えないものがいっぱいあるんだろう。
死への興味から、生ける屍のような老人を「観察」し始めた少年たち。
いつしか双方の間に、深く不思議な交流が生まれるのだが・・・。

町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。
夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ――。
いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが・・・。
喪われゆくものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。

感想

「死体を見てみたい!」という好奇心から近所の独居老人に目を付け、監視を始める小6の同級生三人組。
しょうもない理由で始まる監視だったけど、大人の目からみると監視しているのがバレバレなわけで・・・

老人は、バレバレ小学生たちを挑発したり、驚かしたりするうちにお互いに交流が生まれる。
ゴミ屋敷を老人は綺麗にし始めて、ごみ捨て、草取り、壁のペンキ塗りと小学生たちをこき使うという名の交流。
この交流が微笑ましいんだよね。
警戒度が高い老人が徐々に警戒を解いていく過程。
大人になるとしょうもないけど、子どもにとっては重大な悩みを相談したり。

当初の『死を見たい』という目的は無くなって、もっと老人と交流したい!
と思った矢先の別れ。

物語のテンポが良く、サクサク進む。
いきなり場面転換があって???ってなってしまうのは、僕の読解力が低いせい。
老人との交流期間は、2か月も無いのかな?
子どもの距離の縮め方って凄いよなぁ

いや、仲良くなるのに、時間は関係ないのかもしれない。

作中のことば

死んでもいい、と思えるほどの何かを、いつかぼくはできるのだろうか。
たとえやりとげることはできなくても、そんな何かを見つけたいとぼくは思った。
そうでなくちゃ、なんのために生きているんだ。

30台になっても見つかってないよ・・・グスン

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