『あきない世傳金と銀5 転流篇（髙田郁 著）』の感想レビュー。
シリーズ感想はこちら
もくじ
あらすじ
大坂天満の呉服商、五鈴屋の六代目店主の女房となった主人公幸。
三兄弟に嫁す、という数奇な運命を受け容れた彼女に、お家さんの富久は五鈴屋の将来を託して息を引き取った。
「女名前禁止」の掟のある大坂で、幸は、夫・智蔵の理解のもと、奉公人らと心をひとつにして商いを広げていく。
だが、そんな幸たちの前に新たな試練が待ち受けていた。
果たして幸は、そして五鈴屋は、あきない戦国時代を勝ち進んでいくことができるのか。話題沸騰の大人気シリーズ待望の第五弾!
感想
■幸の実母が亡くなってしまう。
速達便が届き、すぐ旅立つものの既に埋葬された後。
実感がわかない幸と残された妹。
大阪商売人互助の一つでお店の身内は自分たちで引き取ることに。
突然、豪農の下働きから、呉服店ご寮さんの妹という立ち位置になってしまった結。
上手いことやっていけるのか？
■幸、娘を身籠るも流産してしまう。
宗に、お家さんの富久は五鈴屋の将来を託して息を引き取った。
「女名前禁止」の掟のある大坂で、幸は、夫・智蔵の理解のもと、奉公人らと心をひとつにして商いを広げていく。
だが、そんな幸たちの前に新たな試練が待ち受けていた。
果たして幸は、そして五鈴屋は、あきない戦国時代を勝ち進んでいくことができるのか。話題沸騰の大人気シリーズ待望の第五弾!
感想
■幸の実母が亡くなってしまう
速達便が届き、すぐ旅立つものの既に埋葬された後。
実感がわかない幸と残された妹。
大阪商売人互助の一つでお店の身内は自分たちで引き取ることに。
突然、豪農の下働きから、呉服店ご寮さんの妹という立ち位置になってしまった結。
上手いことやっていけるのか？
■幸、妊娠する
惣次との子供を身籠り、浮足立つ五鈴屋一同。
しかし、早産で子供が流れてしまう。
幸自身も生死の境をさまようもののなんとか現世に留まった。
■帯を売る
羽二重の販売
在庫の移動販売も上々だけれど、売り上げが頭打ちに。
次の一手はなにか無いかと考えた時に、呉服屋は反物の販売には力を入れるが、
帯の販売にはどこも力を入れていないことが分かった。
幸は、伝手で帯の仕入れを始め、在
仕入れもしっかりやり、大阪位置の帯を扱うお店！を目指す。
最初は上手くいっていたものの、真澄屋が大々的に帯の扱いを宣伝しながら商売を始めたものだから、
五鈴屋や真澄屋のパクリという状況になってしまい、帯の売上も頭打ちになってしまうのであった。
■鯨帯を売る
帯の色を変えるだけで着こなしの雰囲気は一変する。
そんな事実に気づいたものの、一般の人は何本も帯を用意することができない。
だったら裏表で違う柄にしたらいいんじゃない？と考える幸。
調べてみると、過去に表黒、裏白の鯨帯というのが流行ったいたらしい。
白黒じゃなくて様々な柄で試してみてもいいんじゃないか？
手代たちに考えを促すと皆同意してくれた。
しかし、また真澄屋に真似されるのでは？
と危惧する従業員一同。
幸は、真澄屋に真似されないように慎重に準備をすすめる。
まず、帯の名前を『五鈴帯』とし、五鈴屋の名前を広めることにする。
次に、裏地のデザインを五鈴屋の帯と分かるように鈴を散りばめたデザインにした。
いわゆる企業ロゴ。
さらに、惣次の伝手から歌舞伎の衣装を五鈴屋で扱ってもらえるようになったので、
その時に五鈴帯を締めてもらい、五鈴帯を宣伝してもらえることに。
そして、歌舞伎が始まる前から五鈴帯の名前だけは出し、内容は伏せる。
帯をプレゼントした流行に敏感な若い女性たちを客のサクラとして潜り込ませ、
いざ、決戦の歌舞伎初日！
演目の流れに不自然にならないように五鈴帯の宣伝がされ、
演目終了時に五鈴帯と書かれた提灯を持った従業員が幸たちを待つ。
最後に客に混じったサクラが「歌舞伎で使われていた五鈴帯だ！」
と喧伝することで仕込み完了。
■江戸出店
五鈴帯の売上が上場で江戸出店の展望が見えてきた。
幸は視察のため佐七と賢吉を江戸に送る。
感想の感想
商いの手を広げるためのアイディアが浮かぶ幸だが、
大阪では、
・扱うのは絹のみ
・店先販売NG
など、団体の縛りがきつい。
そのことに気づき始めた矢先、
惣次から江戸に行かないか？と投げかける。
江戸に行けば、大阪での縛りは無いし、
なにより『女性でも店主になれる』
幸が表で堂々と店主として商売ができるのだ。
幸は心を動かされ夫婦で江戸に行くことを決める。
しかし、江戸出立の日にちが迫る中、惣次が倒れてしまうのであった。
どうなるのか？
次巻が楽しみ！
