『あきない世傳金と銀6 本流篇(髙田郁 著)』の感想レビュー。
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あらすじ
大坂天満の呉服商「五鈴屋」は、天災や大不況など度重なる危機を乗り越え、江戸進出に向けて慎重に準備を進めていた。
その最中、六代目店主の智蔵が病に倒れてしまう。
女房の幸は、智蔵との約束を果たすべく立ち上がった。
「女名前禁止」の掟のもと、幸は如何にして五鈴屋の暖簾を守り抜くのか。
果たして、商習慣もひとの気質もまるで違う江戸で「買うての幸い、売っての幸せ」を根付かせたい、
との願いは叶えられるのか。新たな展開とともに商いの本流に迫る、大人気シリーズ待望の第六弾!
感想
■智蔵死去
智蔵が夭逝し五鈴屋の跡取り問題が浮上した。
大阪では、女性店主禁止の令がある。
幸は組合を説得し、三年間は臨時で女性が店主を名乗れる猶予を得る。
江戸では、大阪に比べて制約が少ない。
そして、女性が店主を名乗っても問題ない。
先行部隊が良い物件を抑えたのを皮切りに、
幸は五鈴屋江戸店立ち上げのため上京する。
智蔵が居たらまた違った江戸行きになったかもしれない。
■江戸店購入
江戸店を購入し、幸とお竹は江戸に移動する。
江戸では大阪と違い、
五鈴屋の四人が主従関係なく食を共にし、
お店の経営の事を考える。
皆が同じ方向を向いて努力する。
とても楽しそうで、羨ましさすら感じてしまった。
■開店準備、反物掛けを作る
江戸店での店頭販売をどのようにするか?
そんな会議の中、反物掛けを作ろう。
ということで、作成した反物掛け。
昔はディスプレイ商品すら無かったんだね。
■開店準備、ロゴ付き手拭いを神社に奉納
どうやって五鈴屋を宣伝するのか?
チラシを作っても代金ほどの見返りは無い。
そこで幸が思いついたのが神社の手水場に奉納する手ぬぐい。
手ぬぐいに五鈴屋のロゴを書いて鈴をデザインした手ぬぐいを
神社という神社に奉納して回った。
段々と五鈴屋の屋号だけが人々の噂にのぼっていく・・・
チラシ以上に人の心に残りやすい手法。
風呂屋という噂話が飛び交う場所で五鈴屋の手ぬぐいの噂話を聞いた幸とお竹は、
手ごたえを確信する。
■江戸店開店
散々宣伝しておいて音沙汰無し。
そこに赤穂浪士の討ち入りと同じ日に五鈴屋江戸店開店!
江戸人たちは粋な行動を好む。
初回のインパクトは上々。
そして、冷やかし客を店内に呼び込んでみると、様々な絹織物の見本市が。
江戸の住人達の記憶に五鈴屋をしっかりと刻み付けたのであった。
本流編ということで、江戸店に出店したことが本流に乗ったってことなのかな?
江戸での商い、今後どうなっていくのか?楽しみです。