栄養ドリンクのCMにて『疲労回復』をアピールしなくなり、『疲労感の軽減』という表現に変わってきたそうです。
表現が変わった理由として、疲労物質の研究が進み、栄養ドリンクでの疲労回復効果が眉唾ものになってきたから。
じゃ、疲労回復って疲労物質ってなんなのよ?
これから紹介しますよフフフ・・・
疲労研究の革命
・疲労の原因物質が発見された
・「疲労感」と「労働や運動による生理的疲労」からなる疲労のメカニズムが解明され、従来「疲労回復に効果がある」と思われていた物質のほとんどは、「疲労感を軽減させる物質であり、疲労回復効果はない」ことが分かった
・疲労を客観的に測る技術が発明された
おかげで疲労研究は急進展し、今や疲労の枠を超え、「うつ病」の領域でもにわかには信じがたい大発見がなされるに至った。
疲労感の正体
われわれが発見した「疲労因子(リン酸化elF2α)」は、体の中で心臓、肺、消化器などの材料となるタンパク質の合成を担う「タンパク質合成因子(elF2α)」が「リン酸」と結びつくことで誕生します。
タンパク質合成因子が疲労因子に変化してしまうと、タンパク質の生成量が減り、臓器の働きが低下したり機能障害が起きたりします。
こうした疲労因子が増えることで起きる状態が「体の疲れ」の正体です。
また、このリン酸化elF2αは、炎症性サイトカインを産生させる働きもあります。
リン酸化elF2αによって産生された炎症性サイトカインが脳に伝わって「疲労感」を生じさせることで、ヒトは「体の疲れ」を知ることができるのです。
活性酸素が原因じゃないんだね・・・
正しい栄養ドリンクの使い方
栄養ドリンクやサプリメントに入っていて、これまで疲労回復に効くとされていた物質のほとんどは「抗酸化物質」です。
われわれは疲労の負荷をかけたマウスに抗酸化物質を与え、心臓、腎臓、肝臓、肺など全身の組織の疲労因子を測定してみました。
すると、消えていたのは肝臓の疲労因子だけで、他の臓器の疲労因子は全て残っていました。
「疲労感」を脳に伝える役割を果たす炎症性サイトカインのほとんどは、肝臓で作られることが分かっています。
そして、抗酸化物質で消すことができたのは、肝臓の疲労因子だけでした。他の臓器の疲労因子は消えていない。
つまり、抗酸化物質によって抑えることができるのは疲労感だけで、体中の「疲労」はそのまま残る。
疲労感が消えるから一時的なブーストにはなるね。
ただ、根本的な疲労は抜けないからしっかり休むことが大事。
栄養ドリンク=体力の前借り
とはよく言ったものだけど、あながち間違いじゃなかった。
✕ 疲労回復
〇 疲労を誤魔化す
栄養ドリンクを過信せずにしっかり休もう。
疲れた時は寝る。これが一番ですよ!