自己啓発?若者分析?『先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち(金間大介 著)』の感想レビュー。
もくじ
本の紹介
ほめられたくない、目立ちたくない、埋もれていたい・・・。
今、こんな若者が激増している。
・「成功した人もしない人も平等にしてください」
・選択の決め手はインフルエンサー
・「浮いたらどうしようといつも考えてます」
・LINEグループで育まれた世界観
・もう「意識高い系」とすら言わない
・上司からの質問を同期に相談する
・自分に自信はないけど社会貢献はしたい
令和の時代の重大異変を、イノベーションとモチベーションの研究家が徹底分析!
感想
大学教授の著者が見た大学生の姿や、データから分析した若者像を紹介する本。
著者のツッコミがウザい場面が多いけれども、裏付けのあるデータから出てくる情報はなるほどなぁ。と感心させられる。
若者と触れ合う機会ってあまりないけれど、彼らの大多数は『目立ちたくない』って思考をしているんだね。
若者に向けて、君たちはこういう傾向にあるんだ!お前らはそういう人間なんだ!
とひたすら語った後、最後に「もし、現状に満足していないならこういう方法を試してみない?」
と、若者に向けて楽しく生きるヒントを与えて締めくくる書き方、好きだなー
面白かった。
いい子症候群の若者
(若者のプライベートがゲーム、動画(amazonプライム、netflix、youtubeなど)、SNSということに対して)
は?そんなこと?と思うかもしれないが、そう、そんなことだ。
もう一度言うが、本書で議論しているいい子症候群の若者たちは、特にやりたいことはないのだ。
そもそも、人に譲れないほどの趣味を持つ人なら、仕事もそれなりにがんばれる。
ある意味で自分の中に一つの軸ができているから、陰キャやメンヘラになったりしない。
そうだよな~人は目的があれば努力できるもんな~
何もやりたいことがないから我を張る必要がなく、良い子ちゃんでいられるってことなんだな。
年配と若者
若者に期待してしまうのはわかる。
しかし、期待していいのは、相応の対価を払っている場合や、将来の高い報酬を約束する場合のみだ。
それ以外の期待は、単なる圧や搾取にすぎない。
(中略)
あなたにリスクを取らせ、自分は支援者としてぬるま湯に浸かる。
そんな人を見かけたら、あなたはどう思うのか?
もし、自分だったらやらないと思うようなことを、若者にやらせようとしているだけなら、彼らからリアクションがないのは当然だ。
(中略)
私が知る限り、若者は「現役選手」しか尊敬しない。
大人たちの多くは、自分の過去における実積が自分を形成していると信じている。
だから(特に若者の前では)それをアピールしがちになる。
現在しょぼくれているおっさんの武勇伝ほど情けないものは無いよね。
自分も気を付けよ。
何のために勉強するか?
学習の動機の六つのタイプ、あなたはどれ?(複合OK)
充実志向
「新しいことを学ぶのは楽しいから」
「わかることがおもしろいから」
というような、知的好奇心、理解欲求、向上心に根差した内発的な動機
関係志向
「皆がしているから」という同調的な動機。
「先生が好きだから」という回答も、人間関係が動機となっているためここに含まれる。
訓練志向
「頭の訓練になるから」
「学習の仕方を学ぶため」
というように、学習を通じて間接的に知的能力を伸ばすという動機
自尊志向
「人に負けたくない」
「人より優れていたい」
などの競争心、自尊心に関わる同期。
関係志向と同様に他人にかかわる動機であるが、同調的もしくは親和的な動機と異なり、自己の優位性を示したいという気持ちがある。
実用志向
「生活上必要な知識を得るため」
「将来の仕事に活かすため」
といった実用を意識した動機。
報酬志向とやや類似しているが、こちらは学んだ知識や技能自体の持つ有効性を信じている点が異なる。
報酬志向
「褒美がもらえる」
「ほめられる」
「しないと叱られる」
に代表される、報酬や罰による外発的な動機。
「単位取得のため」
「学歴や出世のため」
も含まれる。
僕は、実用志向と充実志向かな。
たまーに、自尊志向が顔を出す感じ。
著者は、関係志向と報酬志向以外で学習の動機付けをを目指して欲しいと言っている。
目的を持った学習は確実に自分を強くするぞ!