小説『生贄のジレンマ上(土橋真二郎 著)』の感想レビュー。
卒業間際、高校三年生40人×8クラスは学校に閉じ込められた---
もくじ
あらすじ
「今から三時間後にあなたたちは全員死にます。ただし生き残る方法もあります、それは生贄を捧げることです」
卒業を間近に控えた篠原純一が登校してみると、何故か校庭には底の見えない巨大な“穴”が設置され、教室には登校拒否だった生徒を含むクラスメイト全員が揃っていた。
やがて正午になると同時に何者かから不可解なメッセージが告げられる。
最初はイタズラだと思っていた篠原たちだが、最初の“犠牲者”が出たことにより、それは紛れもない事実であると知り・・・。
最初の投票まで
なんの説明もなく昼の12:00に突然始まるゲーム。
生贄の穴
・あなたたちは今日の午後三時に全員死にます
・ただし、生き残る方法もあります。それは生贄を捧げることです
・校庭に開いた生贄の穴に一人が身を投じれば、その他全員が助かります
投票
・生贄の穴を使用する他に、もう一つの方法があります。それが投票です
・クラスごとに投票で生贄を選出します。
・生贄の穴に身を投げる志願者が出なかった場合、
すべての生徒が死ぬことになりますが、
投票で生贄選出をしたクラスに限り死を免れることになります。
・当然ながら選出された生贄は---死にます
禁足事項
・許可なくレッドラインを越えること
・手に巻いたバンドを外すこと
・他人のバンドで不正投票すること
感想
突然始まった生贄ゲーム。
誰がなんのために?
謎のまま投票時間へ。
生贄の穴への立候補者は出ず、皆が冗談だと思いながらも投票時間が終了。
その結果、投票された人は死に、
投票者ゼロのクラスは全滅した・・・
生徒たちもこの状況が冗談ではないことを理解した。
というのが前半の出来事。
第二の投票まで
次の投票は六時間後、午後9時に行う。
判明したルール
・投票による解決は次の投票は6時間後。
・生贄の穴での解決は次の投票まで24時間
の猶予がもらえる。
感想
生贄の穴を使った方が確実にコスパが良い展開。
けど、死んじゃうのに誰が立候補するのか・・・
まさに生贄のジレンマ。
そこに自己犠牲に酔った生徒が一人、穴に飛び込むのであった・・・
他クラスの子で主人公はあまり面識がないので精神ダメージもそこまで高くない。
このまま、相談して全部の投票を生贄の穴で突破することができるのか・・・?
救済イベント
次回投票:午後9時
救済イベント:午後12時(正午)
指示内容
・このふざけたゲームから救済するよ
・希望者は正午~12:30までに所定の場所まで移動してね
・移動場所は五回の第三会議室だよ
・30分間はレッドラインを消しておくよ
感想
『救済』が何を指すのか分からない救済イベント。
ここは戦力を分断しないで、生贄の穴を使って最小の犠牲で突破するんだ!
なんて思っても、結構な人数が救済イベントに参加してしまった。
主催者側の提案の救済。
全体の感想
全てのルールを明示しない
&
後だしの追加ルール
主催者有利の酷い内容。
極限状態でクラスメイトの誰を犠牲にするのかの選択。
まだ疑心暗鬼まで行ってないけど、そのうち裏切りが横行しそうだ。
終わりが見えないってのもイヤだよねぇ
卒業が一週間後っていうからそこまで続くのかな?
それとも既定の人数に達するまで?
読みやすいし、展開がジェットコースター。
中巻が楽しみだ!