小説『迷路館の殺人(綾辻行人 著)』の感想レビュー。
館シリーズ3作目!
地下に作られた廊下が迷路になっている館が舞台の殺人事件。
あらすじ
推理作家界の巨匠・宮垣葉太郎の還暦の祝賀パーティーで宮垣の自宅にに招かれた四人の推理作家と評論家、編集者、愛好家などの面々。
大広間に通され宮垣を待っていると秘書現れ、
・宮垣が今朝自殺したこと
・遺書に従い警察には通報していないこと
・肉声テープの内容に従い今後をどうするか判断すること
を伝えてきた。
テープの内容は、
・5日後まで秘書と医師以外は館を出てはならない
・5日間で作家4人は現在の状況を舞台とした、自分が被害者となるミステリー短編を作らなければならない
・作品は遺産相続者の審査・選別のために使用する
・審査員は作家四人以外の人間で行う
・最も優れた作品を書いた者に、遺産の半分を相続する権利を与える
というものだった。
多額の遺産に目の眩んだ作家たちは各々執筆を始める。
しかし、作家たちが次々と、自分の小説通りの殺されかたをしていく。
犯人は一体何の目的で見立て殺人を行うのだろうか?
事件後、
迷路館事件の生存者、島田の元に同生存者から『迷路館の殺人』なる小説が贈られた来た。
その内容は、迷路館で発生した連続殺人事件を基にした推理小説であった。
読者は作中作を読みながら迷路館で起きた凄惨な事件を追体験していく・・・
感想
館シリーズの名作は何?
と聞かれたときに、
『十角館の殺人』を挙げる人と、
『迷路館の殺人』を挙げる人の二種類がいるそうな。
【十角館の殺人】新本格推理小説の一番槍。曰くつきの孤島で発生する殺人事件【綾辻行人】
あの、『十角館』と並ぶほどの名作!?
これは読むしかない!ということで館シリーズの三作目を読んでみた。
二作目の『水車館』飛んで『暗黒館』と館シリーズは読んでいたのだけれど、
どれも『十角館』ほどじゃないから敬遠してたんだよね。
作中作という形で迷路館で起きた連続殺人事件を鹿谷門美の解釈を交えて追体験する本作。
実際に起きた事件を当事者が小説にしました。
なんて触れ込みの作品が世にでたらベストセラー間違いなしだね。
作品を郵送された島田氏が作者の鹿谷門美と面会し、エピローグとして事件の全容が、
鹿谷門美の解釈として明らかになる。という展開。
僕も僕なりに推理してみたんだよね。
見立て殺人をどうやってやるのか?
→な、なるほどぉ~
密室はどうやって作り出した?
→え?いいの?
・鹿谷門美はだれ?
→ワープロ表まで使ったのに・・・
結果、全敗。
作中作は作中作で完結していて、作中作にしなければならないオチもあって面白かった。
ネタバレ禁止だからこんな感想になっちゃったけど、ぜひ読んでみてほしい!
オススメ!