プラシーボ効果というものを知っていますか?
なんの効果もないただの片栗粉を固めたものを、
「この薬、すっごい効果あるよ!」
なんて言って飲ませると、風邪が直ちゃったりするアレです。
思い込みの効果って凄くて、新薬の開発現場でも用いられているようです。
新薬の効果を確かめるために、
「こんな効果のある薬を飲んでもらいます」
と同じ前口上を伝えて、被験者を
・偽薬(なんの効果もない薬)を飲むグループ
・新薬を飲むグループ
二グループに分けて、薬効を確かめる方法で、
思い込みを除外して実験するんですね。
それだけ思い込みの力は強いってこと。
でも、思い込みだけで病気が治るんならそのほうがいいよなぁ・・・
なんて気もしちゃったり。
もくじ
プラシーボと伝えつつ薬を飲ませる
そこで面白い実験を1つ。
なんの効果もない偽薬と伝えた上で、プラシーボ効果を確かめる実験
参考:ナゾロジーより
もし、それで効果が確認できるとするならば・・・
ある程度の病気は偽薬でどうにかなるってことになる!
実験内容
・被験者は苦痛を感じる画像を40枚程度(普通の画像10枚入り)を見て、どの程度精神的に苦痛だったかを9段階で評価する。
・被験者は無作為に2つのグループに分け、
■Aグループ(プラシーボ効果の説明を行う)
プラシーボ効果について解説を行い、次に生理食塩水の無害な点鼻薬を鼻腔にスプレーしてもらう。
「点鼻薬は何の有効成分も含まない偽薬ですが、プラシーボ効果を信用すれば精神的苦痛を和らげる効力があります」
と説明。
■Bグループ(実験の説明をしないグループ)
同じように生理食塩水の点鼻薬を使ってもらう。
「実験の記録を取りやすくするためのもの」
という説明のみ。
実験結果
2つのグループに画像を見せると苦痛の段階評価は、Aグループで低下しました。
つまり、偽物であることを説明した上で偽薬を服用しても、プラシーボ効果があるということが判明!?
追加実験
同じ内容の実験を脳波を測定しながら実施。
ここでは感情が振幅に影響するとされる後期陽性電位(late positive potential: LPP)がチェックされました。
するとここでも1つ目の実験同様、Aグループの脳は振幅が有意に減少していました。
つまり、プラシーボ効果を理解した上でその効果を信用して偽薬を用いた場合、精神的苦痛が減少しているという事実が客観的な測定値からも確認できたのです。
まとめ:効果を信用すること
重要なのは効果を信用するということ。
プラシーボ効果の相乗効果も相まって効果倍増!
逆にちゃんと効く薬だったとしても、
説明不足だったり、
信頼関係が築けていない医者からの説明
だったりすると、効果が減退してしまうということにもなるってこと。
「騙されたと思って・・・」
なんでもポジティブに考えることが大事なのかもね。