魚が魚群を作る理由を知っていますか?
それはね、小魚たちが群れを作ることで、自分を大きく見せて大きな魚たちを錯覚させているからなんだ。
この知識は小学校の国語の授業でみんな習うこと。
は?それは違うって?
>シャチやイルカは群れをめがけて突っ込んでくるじゃん?
>入れ食いワロチ
>嘘知識乙
・・・は?『スイミー』さんをディスってんのかてめぇはよぉーッ!!
もくじ
魚群二大理論
魚が群れを作る理由は昔から二つの有力な説がありました。
捕食者に対する防御説
俗にいうスイミー理論
集団で集まることで威嚇&生存率を高める説
仮に外敵に襲われても他にも獲物が沢山いるので自分の生存率が高まるんですねぇ
エネルギー節約説
防御説のほかにある有力な説がエネルギー節約説
群れで動くことで低燃費での移動が可能になる説。
いわゆるスリップストリーム効果?
でも、証明する手段が無いのでした。
既存の研究は、シミュレーションや紙面での演算のみ。
測定するのが難しいんだよなぁ・・・
エネルギー節約説の課題
水中を移動する魚の消費カロリーを計算するには、
本物ソックリの魚の動きを再現する装置を作って仕事量を求めるだけでなく、
後続する魚に与える力学的な影響を調べなければなりません。
つまり非常に精巧な魚ロボットと水の動きの可視化…この2つが現実世界でそろうことが絶対条件だったのです。
この2つはシミュレーション世界ならば簡単に実現できる条件ですが、現実では非常に困難でした。
魚ロボットの登場
そこで登場したのが精巧に作られた魚ロボット
研究者たちは現実の魚の動きを模倣するために、
モーターにあたる駆動装置に「中枢パターン発生器」と呼ばれる、
神経回路を模倣したバイオ風の機構を取り入れ、魚の自然な体のうねりを再現しました。
水の可視化にはインクが用いられました。
インクは魚ロボットの後方から少しずつ放出され、
ロボットの動きが作り出す水の動きに乗って移動します。
その結果・・・
研究者たちはこの魚ロボットを様々な条件の元で1万回にわたって、単独とペアの両方で泳がせデータの収集を行いました。
すると、単独でおよいだロボットとペアの後方で泳いだロボットの電力消費量に、明らかに違いがみえてきました。
ペアの後方の魚ロボットはより少ない消費電力で、より多く動くことができることができていたのです。
ほほぅ・・・
新常識の誕生
魚たちは周囲の魚の動きによって生じた渦の運動エネルギーを尾で受け止めることで、前方への推進力にリサイクルしていた!
しかも、先頭の魚と動きを同期することで、最大効率の省エネを実現しているのだとか。
いやはや、凄い話ですよ・・・
今後は、スイミーもウソ情報として教科書から消えてしまう日が来るのかなぁ?