小説『三匹のおっさん ふたたび(有川浩 著)』の感想レビュー。
あらすじ
剣道の達人キヨ、
武闘派の柔道家シゲ、
危ない頭脳派ノリ。あの三人が帰ってきた!
書店での万引き、ゴミの不法投棄、連続する不審火・・・。
ご町内の悪を正すため、ふたたび“三匹”が立ち上がる。
清田家の嫁は金銭トラブルに巻き込まれ、シゲの息子はお祭り復活に奔走。
ノリにはお見合い話が舞い込んで、おまけに“偽三匹”まで登場して大騒動!
ますます快調、大人気シリーズ第二弾。
400文字感想
『ふたたび』ということで三匹のおっさんの続編
一巻から時間がそんない空いてない。
全六話構成+外伝の構成で、外伝は一巻で登場した潤子の中学校時代の話。
本編の概要は、
一話:嫁、貴子パートに出る
二話:書店万引き対策
三話:ノリ再婚話
四話:家庭ごみ不法投棄
五話:地域のお祭りを復活させよう
六話:三匹のにせもの現る!?
印象に残っているのは、書店万引きの話。
前巻の動物虐待事件と根っこは同じで、
『罪の意識のない子供たちに対して、どう教育するか?』
子供の悪事はしょうがない。
その後の指導が大事だよ。って問題。
前回は学校側の問題ということで深く介入できず、なぁなぁで終わってしまった。
今回は個人書店と協力して、
理にかなった説法と体験をさせることにより子供の更生と教訓を指導する。
人生の先輩が後輩に教えるスタイル。いいよね。
二巻も教訓になる内容が盛りだくさん。
感想
今回は、大人→子供(二話、四話)で関わっていく話よりも、
大人→大人(一話、三和、五話、六話)がやりとりする話が多かった。
一話は、一度も働いたことの無い清田家の妻、貴子のパート話。
叱られているのと嫌味は違うし、叱られるだけありがたいのかね?
女性集団緒同調圧力みたいなのは苦手だ・・・
貴子は最初のパートは性格的に合っていなかったけど負けず嫌いなので継続、
合わない仕事ほどつらいものはないよな・・・
その後は自分に合ったパート先を見つけることができたみたいで良かった。
五話の寄進集めでは、寄進を断ったのに縁日には来る厚顔無恥なやつらといったら!
特に、町内会長。あれだけ文句言ってたのにお祭りに参加するんかい!?
言行一致していればまだ株を落とさずにすんだものの・・・
寄進しなかった家の子どもたちに対するシゲの対応もカッコイイね。
最後の六話では、三匹のにせもの登場。
「自分は正義だ!」と肥大した商人欲求とともに夜回りの最中、高圧的に人と接するものだからトラブル続出。
最終的には腕っぷしが無いのに若者と揉めて・・・
やっていることは悪いことじゃないけど、自分のポジションをちゃんと弁えないとね。
安定して楽しめる作品です。
冒頭、突然漫画が始まって驚いたゾ