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【功名が辻3巻】ついに秀吉が亡くなった。伊右衛門・千代はどのように動くのか?【司馬遼太郎】

『功名が辻』文庫3巻表紙

小説『功名が辻3巻(司馬遼太郎 著)』の感想レビュー。

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あらすじ

絢爛たる栄華を誇った豊臣秀吉の転嫁が傾き始めた。
かれに老耄の翳がさし、跡継ぎの秀頼はなお幼年の域を出ない。
諸大名を掌握し、じりじりと擡頭してくる徳川家康に対して、秀吉は防衛にまわった。
かれが死を迎えれば大波乱は免れぬであろう・・・。
伊右衛門・千代の夫婦は二人して将来への道を必死に探し求める。

感想

乱世で50石の武士が、結婚して立身出世していく物語。
賢い妻の千代が旦那を上手いことヨイショして、良い方向に軌道修正していく。
三巻終了時点で、六万石!!
・・・二巻と変わらんじゃないか。

それもそのはず、三巻中では秀吉が戦国の世を終わらせてしまったから。
その後、少しだけ平和な時代が続いて、秀吉が死亡。

そこから、徳川家vs石田家の戦いが始まる。
伊右衛門と千代は、徳川家と石田家、どちらにつくかに悩むが・・・
戦地に居る伊右衛門と、屋敷に居る千代、どっちの場面も読む手が止まらない。

どちらかというと、千代フェイズの政略が読んでいて面白いなぁ

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3巻でのできごと

第二次朝鮮

耄碌したのかと思ったいたけど、
事実は、自分の死が近いと思った秀吉が、
秀頼のために大名たちに金を使わせて力を削ぐためだった。

民力を痩せさせれば自然、諸大名の富力も尽きる。
富力さえなければ戦争は起こすまい。
ゆえに、自分の死後、秀頼の転嫁は安泰であろう。

仮装コスプレ会

大名たちが様々な物売りに変装して商売をするコスプレ大会。

醍醐の花見

秀吉が企画した大花見会。
招待客は約1,300人←!?

秀吉の死

暫くは隠されていたそうな。

上杉征伐の動き

石田三成が共謀して家康を倒そうとしている。
挟撃される恐れのある家康は、先に上杉家を征伐しようとするが・・・?

徳川家康vs石田三成

確定じゃないけど、こういう動きになってきている。
そして、関ヶ原の戦いへ展開していくんだね・・・

千代の功績

「そうです。大蔵卿さま。
おなごが権力の社会に入るといやみなものでございます。
そのいやらしさが、お顔にでています」
「そなた」
「ホホホ・・・鬼婆あ」
千代はとうとうやってしまった。
もともと、この無神経な誘い込みをはらいのけるのは、穏当な手段ではいかぬと考えていた。
券かは、するときはすべきである。

徳川勢に付くことがここで決まった。

「千代さまは、おそれながら太閤さまご夫婦に大変なお人気」
(淀殿のまわりの雰囲気とは大変な違い・・・)
と、千代は、つい心がはずんでしまう感じだった。

「涙の出るほど、うれしく存じます」
「あなたさまのお人徳でございますよ」

鬼婆発言の後、北政所からお茶会のお誘いが。

(時期を待つのだ)
と千代は思っていた。
(どうせ小身なのだ。
あわてて左右いずれに走っても、徳川殿も石田殿も、さしてありがたくも思わない。
それまでは、あくまでも中立の場を守らせたい)

自家を一番効率よく売るタイミングを見計らう。

「きめたぞ」
と、千代の話が終わった後、伊右衛門は大きな声で言った。
「どうおきめなされました」
「豊臣家の諸侯が真っ二つに割れるとき、わしはためらいもなく徳川殿につく。
千代も左様に心得て置け」
「はい」
千代は、可愛くうなずいた。

誘導成功!

「党側殿にお味方するときめた以上、徹頭徹尾なさるがよく」
「この合戦に、山内家の浮沈がかかっています」
「家康どのに賭けた以上、もはやなりふり構わずに賭けた側のために働くのが肝心かと思います」

悩む時間は終わった。
今は、動くとき!

石田光成側から渡された書類に対して、
「封書は封をしたまま、関東の殿様にお送りします」
と千代は言った。
この一言がのちに伊右衛門をして大封を得せしめた、と後世では言う。

家康に付く、と方針がきまった以上、中途半端はいけない。
徹底して味方すべきだと思っていた。
それには、石田方からきた公文書もみない。

「封のまま、家康殿に差し出してしまう。
というのがお味方として当然でありましょう。
中身をみてからでは、不純にとられます」

「なるほど、芸が細こうございますな」
「いいえ、これが天芸というものです。いずれそなたたちにもわかると思います」

やるなら徹頭徹尾。
この行動が理解できる相手じゃないと効果がないけどね。

家中の木を切り落とし、焚き木にして、使者を待つ千代。

「福原殿、同じことをなんども言わせるものではありませぬ。
これ以上教談なさるについては、もはや覚悟がございます。
屋敷に火を放ち、あなた様もろとも火中で死ぬばかりでございます」
これには福原佐渡守もおどろき、あたふたと千代の前を辞し、かき消えるように屋敷を出てしまった。

これで人質は免れた。
千代には千代の戦いがある。

印象に残っている言葉

秀頼は、殿中ふかく、風にもあたらぬように、
真綿ぐるみ、金銀ずくめで育てられている。
という格好なのである。

子どもらしい生活などは、皆無であったろう。

過保護も度が過ぎると毒になるね・・・

千代は、秀吉のことを考えていた。
(憎めない・・・)
と思う。
性格としてあれほど人に愛されて世を渡ってきた人物も少ないであろう。
千代は無理無体を受けたくせに、ふしぎと憎しみは湧かないのである。
ただ少々、きたならしくて、千代は閉口したが。
(---とにかく)
とくなひとだ、とおもった。
女に戯れていても、なにやら、悪童が母親に甘ったれているような風情があり、ついついこちらも気を許してしまう。

・・・人徳?

遊び好きの秀吉は、遊び始めると人も我もなく溶け込んで楽しんでしまう。
人々はそういう秀吉を好んだ。
かれはこの時代の絶対的な支配者でしかも大名以下庶民に至るまで迷惑しごくな外征をおこすような男であるのに、
同時に当代きっての人気者だったのは、この底抜けな陽気さからきている。

人徳その二。

数徒歩や、謙虚な男なのである。
だから、かれは伏見城下などで、他家に仕えている昔の朋輩に出会うと、
大名の身ながらかならず馬から降り、丁重に挨拶をした。
「一城のあるじになっても、昔と変わらない人だ」
と、古い朋輩たちは関心したが、それが毎度のことなのでみな閉口してしまい、
伊右衛門の行列が向こうから来ると、辻々に隠れてしまうようになった。

上が低姿勢なのは交換がもてるけど、
それが毎回だと周りも疲れてしまうの図。

家康は平和を極度に恐れていた。
このまま無事平穏が続けば、豊臣体制がそのまま続くことになる。
つまり、家康の位置も死ぬまでかわらぬ、ということになる。

場を乱そうとする側にも理由があった。
こういうところ、面白いよなぁ

まとめ

戦地にいる伊右衛門の苦悩と、
屋敷にいる千代の苦悩。
お互いの思惑は山内家の存続と躍進。
それが、動乱の時にどう作用するのか。
四巻は、各大名の日本の転換期、関ヶ原の戦い!

楽しみだぁ!
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