『時計館の殺人(綾辻行人 著)』の感想レビュー。
あらすじ
多くの死者の想いがこもり、少女の亡霊が徘徊するという時計館。
訪れた九人の男女を待ち受けるのは無差別殺人!?
悪夢の三日間の後、生き残る者は果たしているのか。
最終章80頁にわたって次々に解明されるめくるめく真相。
これほど凄愴絢爛たるクライマックスを持つ本格ミステリが、かつてあっただろうか!?
鎌倉の外れに建つ謎の館、時計館。
角島・十角館の惨劇を知る江南孝明は、オカルト雑誌の“取材班”の一員としてこの館を訪れる。
館に棲むという少女の亡霊と接触した交霊会の夜、忽然と姿を消す美貌の霊能者。
閉ざされた館内ではそして、館に閉じ込められた江南たちを襲う、仮面の殺人者の恐怖。
館内で惨劇が続く一方、館外では推理作家・鹿谷門実が、時計館主人の遺した「沈黙の女神」の詩の謎を追う。
悪夢の三日間の後、生き残るのは誰か??
凄絶な連続殺人の果てに待ち受ける、時計館に込められた思いとは?
感想
時計館に住む怨霊の仕業?
なんて展開から始まるけど、そこは実績のある館シリーズ。
建物自体にトンデモ設定はあっても、トンデモ展開はなく、きちんと人間の仕業です。
この辺は安心して読めるね。
長年の恨みを晴らすべき真犯人。
狙いは特定の人物だけど、自分のトリックがばれそうだからって予定外の殺しが多すぎやしませんか?
ほぼ、全滅じゃん・・・
それでもトリックが破綻しないようにトラブル対応するとは優秀過ぎる。
トリックは時間を扱ったもの!
〇〇に違いない!
ってのは誰もが察しが付くと思う。
けど、〇〇の規模が違い過ぎて・・・
時計館を作ったのが善意だったのがやるせない気持ちになるね。
長編だけど読みやすかった。オススメ!