陽気なギャングの日常と襲撃(伊坂幸太郎 著)の感想、レビュー。
陽気なギャングが地球を回すが面白かったので急いで続きをゲットしたレンゾーです。
もくじ
あらすじ
陽気なギャングが地球を回すの続編。
※本著から読んでも問題なし
嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、
演説の達人は「幻の女」探し、
精確な体内時計を持つ女は謎の招待券の真意を追い、
天才スリは殴打される中年男に遭遇する。
陽気な強盗四人組が巻き込まれた四つの奇妙な事件。
そして四人組の本業中に『社長令嬢誘拐事件』が連鎖する。
なぜか四つの奇妙な事件が微妙に絡んできて・・・
感想
前半の四編の出来事がラストに収束されていく展開はお見事。
陽気なギャングたちがいくら人を殺さないとはいえ、
やっていることは銀行強盗=犯罪。
その印象を緩和するためには相手は銀行強盗以上の悪じゃないと駄目なのかな。
というわけで、長編の悪役は身代金目的の誘拐犯。
違法賭博もやっているし、作中殺しもやっていることを匂わせる結構な組織。
そんなやべー奴らだけど、四人組が絡むとコメディタッチになるのが不思議だね。
殺しを容認している相手に殺さずで解決する方法もスマート。
頭がつぶれれば報復どころじゃないもんね。
やりとりに慣れちゃったからかもしれないけど、一作目ほどのインパクトほどじゃなかったけど面白かったです。
物語の作りかたはどうやっているのだろう?
最初にラストの展開を決めておいて、前半を肉付けする方法なのかな?
なんておもってたら違った。
当初は、四人の銀行強盗(成瀬、響野、久遠、雪子)が中心の短編を八編で一冊の本にする予定だったのだけれど、
最初の四つの短編を作った後、全てがリンクする長編を一作ったって・・・
途中から方向転換してこのまとまりかたかよ・・・すげーな。
それぞれの事件と二章以降への伏線メモ
成瀬の話~巨人に昇れば、巨人より遠くが見える~
・筒井ドラッグの娘の婚約者が同僚
・押し込み強盗の逮捕に協力する
響野~ガラスの家に住む者は、石を投げてはいけない~
・ドラッグ所持懲役が厳しい南米のとある国の話
雪子~卵を割らなければ、オムレツを作ることはできない~
・シアターCのギャンブルジャンキーオーナーと知り合いになる
・同僚と奥谷奥也を再開させる
・演目→柔道部詐欺
・偶然の他人(隣に座った人とか)には気を許す
久遠~毛を刈った羊には、神も風をやわらげる~
・ギャンブルジャンキー和田倉と知り合う