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【小説の神様】お互いのトラウマを補完し合って合作だ【相沢沙呼】

『小説の神様』表紙

小説『小説の神様(相沢沙呼 著)』の感想レビュー。

もくじ

あらすじ

僕は小説の主人公になり得ない人間だ。
学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない・・・。
物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。
二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。
彼女の言う”小説の神様”とは?そして合作の行方は?
書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春!

キャラクター紹介

千谷一也(ちたにいちや)

編集者の母と、小説家の父を持つサラブレッド?

が、父は売れない小説家。
家での寂れた父を見て育ち、
「父のようにはなりたくない!」
「売れなきゃ小説なんか紙屑同然!」

思想を持ち、学生でありながら小説家デビュー。
デビュー作は重鎮たちに評価されたものの、以後の作品は鳴かず飛ばず。
また、ネットでエゴサしてしまい、
自分の小説を酷評されているのを目撃してしまい、意気消沈。
重厚なストーリーではなく、
分かりやすい感動ポルノを作ろうとするもそれも売れない。

また、後輩が「小説を書きたい」
と質問すると、
「小説の書き方」
ではなく、
「売れる小説の書き方」
の自論を説明するなど、売れない小説を書く自分に対しての劣等感が凄まじい。
助言を求めた後輩も、めんどくせーやつと思ったかもしれない。

何をやっても売れないという負のスパイラルに陥った時に、小余綾と組んで小説を合作することに。
相手は売れている小説家、しかも自分と同い年ということで劣等感丸出しで接してしまう。

その後、小余綾には小余綾なりの小説に対する葛藤があることが分かると、距離を縮めだす始末。

ファンが離れる前に気づけて良かったね。

小余綾詩凪(こゆるぎしいな)

高圧的ヒロイン枠。
高圧的でいるのは、心の傷を隠すため?

こちらは自身の作品に盗作疑惑をかけられ、
相手信者が暴走し、風評被害の流布、
さらに現実にストーカーが現れることになり、
転校を余儀なくされた。

心の傷により、小説はおろか、メールの返信程度の文字数でも打つことができなくなってしまった。
それでも、頭のなかに物語はあふれ出してくる。

担当編集者に合作を提案し、千谷と合作することになる。

感想

お互い精神的な理由で執筆できないところをお互いが補い合う形での合作。
しかしながら、片方ができなくて、片方ができることはお互いのトラウマを刺激して・・・
そんな状態じゃ仲良く合作なんか作れるわけもなく・・・

小余綾はまだ前向きなのに対して、
千谷がふさぎ込み過ぎなのが読んでいてキツイ。

創作経験者なら理解できる部分もあるのかなぁ?

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