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【愛なき世界】恋のライバルは草(シロイヌナズナ)藤丸くんの恋は実るのか?【三浦しをん】

小説『愛なき世界』ハードカバー表紙

小説『愛なき世界(三浦をん 著)』の感想レビュー。

あらすじ

恋のライバルが人間だとは限らない!
洋食屋の青年・藤丸が慕うのは〝植物〟の研究に一途な大学院生・本村さん。
殺し屋のごとき風貌の教授やイモを愛する老教授、
サボテンを栽培しまくる「緑の手」をもつ同級生など、個
性の強い大学の仲間たちがひしめき合い、植物と人間たちが豊かに交差する――

これは男女の恋の物語?

個人経営で下町風の洋食屋『円服亭』の味に惚れ込み、住み込み定員になった藤丸陽太(ふじまるようた)と、
国立T大学で植物を研究する大学院生、本村紗枝(もとむらさえ)との愛の物語。

1章は、円服亭に務める藤丸が主人公の話。
円服亭がデリバリーを始めたことをきっかけに、T大学へ出入りすることになった藤丸。
円服亭の常連だった教授の研究室へ配達に行った時に出会った本村さんと仲良くなり、
研究の基礎を教えてもらったりと、配達の度に信仰を深めていく。
そして、告白。
その答えは、

「私は、誰とも付き合いません」

その理由は、
「植物には、脳も神経もありません。
つまり、思考も感情もない。
人間が言うところの、『愛』という概念がないのです。
ろれでも旺盛に繁殖し、多様な形態を持ち、環境に適応して地球のあちこちで生きている。
不思議だと思いませんか?」
「だから私は、植物を選びました。
愛のない世界を生きる植物の研究に、すべてを捧げると決めています。
だれともつきあうことはできないし、しないのです」

2章以降は、本村の植物研究がメインで進んでいくよ!

愛の物語・・・?

綺麗な装丁

ハードカバーの装丁は、
星空を背景に植物とか実験器具、DNAの二重螺旋が浮かんでいる、植物研究者っぽい装丁。
このキラキラ加工はなんていう加工なんだろう?

感想

・・・”植物研究者っぽい装丁”
この装丁の時点で気が付くべきだった。
これは、藤丸視点と本村視点で交互に進み、最後に愛が交錯する物語なんかじゃなく、
植物に魅力を感じ、研究に没頭する一人の女性を描いた物語なのだと!
藤丸は、その研究を成功させるために要る清涼剤なのだと!

この本は、植物研究学者を目指す大学院生が論文発表研究に四苦八苦する物語です。
恋愛小説を期待して読んではいけません!

ただし、殺伐とした研究内容を垂れ流しするのではなく、
面倒見の良い研究室の面々や、
個性の強い教授陣、
そして清涼剤の藤丸が加わって、コミカルな展開になっています。
※研究内容のところは正直斜め読みだったよ・・・

物語の最後、藤丸と本村の関係にも変化の兆しが・・・?
その後を想像するのも楽しいかも?

おまけ:ATTED-Ⅱ

ATTED-Ⅱは実在するサイトだった!
https://bi.biopapyrus.jp/db/atted.html
※ahoとahhoは見つけられなかった

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