小説

【逆ソクラテス】少年少女が主人公の短編小説【伊坂幸太郎】

『逆ソクラテス』ハードカバー表紙

逆ソクラテス伊坂幸太郎の感想レビュー。

逆ソクラテス

小学校時代の担任教師、久留米は自分の価値観を押し付けてくる。
そのような事を語ったのは転校生の安斎。

「僕はそうは思わない」
何事も決めつけはよくない。
そう語る安斎は、クラスメートの草壁に対する久留米のレッテル張りがクラス中に伝播していることに反発を持ち、
草壁を優秀に見せることで、久留米の考えを少しでも改めることができれば。と考えた。

・算数のテストでのカンニング
・変質者撃退の噂
・大人に褒めてもらうように裏工作

様々な些細な活躍から生まれる、久留米が思う草壁の評価の誤差。
その誤差は草壁自身にも生じていき---

主人公、加賀の回想という形で物語は進行。
最初は大人の加賀がプロ野球を見ているシーンからそして回想へ。
導入部分の意味が分かると、最後にほっこりできるそんな短編。

何事も決めつけは良くないよねぇ

スロウではない

クラスの足の速い嫌味女、渋谷。
自分が正義だと疑わず、それ以外は悪。
リレーの遅い組のBチームに対して嫌味をいう。

リレー当日、転校生の高城はアンカーで渋谷を後方から一気に抜き去ってしまう。
「足が遅いふりをしていたのか!?」と渋谷は激高し、
そこから高城にたいしての嫌がらせが始まるのであった・・・

ここでも転校生が一波乱起こす。
転校してしまった主人公に対して、クラスで中の良かった面々が未だに交流を持っていることを知る。
そのシーンが良かった。

非オプティマス

担任の久保先生はぱっとせずに無気力気味。
故にクラスメイトにバカにされてしまう。
今日も、騎士人一派が授業中にわざと筆箱を落として授業妨害をしてきた。
久保先生は大きくることもせず、騎士人一派は調子に乗る。
久保先生はなんでこんなに無気力なのだろうか?

久保先生の過去と無気力からの復活が熱い。
些細な事なんだけど、気持ちの変化を促すには十分。

そこから授業参観でのお話は、叱るのではないけど、
皆の心に響くお話。
読了感が良いね。

アンスポーツマンライク

小学校のミニバスチームの同級生五人。
思い出すのはミニバス時代の最後の試合。
パスを貰い、逆転のチャンスのシュート。
僕は足が竦んで打てなかった。
以後、ここぞという場面で足が竦んでしまう。
そして今現在、拳銃を持った犯人に僕だけが気づかれていない。
僕が取るべき行動は---

切磋琢磨した子供時代の仲間たち。
こういうのに弱い。
逆恨みで襲撃され命の危機を感じるけど、
それを許容してあげる主人公一派も凄い。

犯人は少しは救われたのかな?

逆ワシントン

母親が再婚したお父さんに友人が虐待されているかもしれない。
そんな予感をもった僕たちは、
UFOキャッチャーでゲットしたドローンを使って虐待の証拠をつかもうとしたものの失敗し、
道端に墜落させてしまう。

墜落したドローンを回収しようとしたら老人の足元に落ちていた。
正直に謝るが、老人は小学生相手に土下座を強要してきて・・・

正しいことをしていても、そのせいで面倒毎に巻き込まれる。
って多々あるよね。
そんな教訓を得られる話。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。