カルデラ湖や、独立した湖に魚が繁殖していた不思議。
アクセスする水路がないのにどうやって魚たちはやってきたのか?
様々な仮説があった中、実験で判明した事実とは・・・!?
鳥が運んでくる?
魚卵は最初、鳥の足などに引っ付いたものが湖に落っこちたのがたまたま負荷して繁殖して考えられていたのだけれど、裏がとれないままだった。
そこで目を付けたのが、植物のたね。
鳥が植物の種を運んできて消化されないまま排泄、そして芽が出る。
魚卵ももしかして排泄されて移動してるのでは?という愉快発想から実験を始めた。
鳥に大量の卵を食べさせる実験を行った結果、魚の卵は鳥の消化機能を生き延び、糞として排出された後に孵化することが確認されたのです。
・・・鳥の消化器官ガバガバじゃない?
実験内容
仮説の証明にあたり、ÁdámLovas-Kiss氏は最もシンプルな方法を試みました。
魚の卵を500個集め、8羽のカモに食べさせたのです。
食べさせた卵は侵略的外来種として知られている2種類のコイ科の魚(ギベリオブナとヨーロッパ鯉)であり、全て人工受精後に食べさせました。
そしてカモが糞をするのを待ちました。
幸い、予想より早く食後一時間ほどで糞が排出されはじめます。
ÁdámLovas-Kiss氏はさっそく糞から卵を探す作業を開始しました。
結果、6匹のカモから18個の形状的に無傷な卵の採取に成功し、そのうち12個は十分生存に足る状態にあることがわかります。
ナゾロジーより
見事に実験成功!
丸のみした卵は砂肝を回避して無傷のまま排泄されたのです。
また興味深いことに、オス鳥はメスより多く無傷な卵を通したことがわかりました(メスの5倍)。
集めた12個の卵を孵化チャンバーに移し、成長を促しました。
すると、12個の卵のうち2個から稚魚がうまれてきました。
2匹のうち1匹はギベリオブナで、もう1匹はヨーロッパ鯉の稚魚であり、生存率を計算したところ0.2%であることがわかりました。
この数値は決して高くはありませんが、長い時間を考えれば、孤立した湖に卵を運ぶには十分な数値です。
また一部のコイは単為生殖を行うことが知られており、1匹のメスの稚魚から多くの子孫をうみだすことが可能とされています。
ちゃんと孵化もしている!
0.2%なれども試行回数を増やして繁殖していったんだろうなぁ
共生関係
鳥と魚は捕食関係にあると思いきや、共生関係でもあった?
最初はただ食べられるばかりだった魚も、
消化に耐えられるように卵を進化させ、
0.2%まで高めた確率を従えて鳥という箱舟で新天地を夢見る。
・・・ロマンがある話ですなぁ