小説『フーガはユーガ(伊坂幸太郎 著)』の感想レビュー。
もくじ
あらすじ
常盤優我は仙台市のファミレスで一人の男に語り出す。
双子の弟・風我のこと、決して幸せでなかった子供時代のこと、そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。
僕たちは双子で、僕たちは不運で、だけど僕たちは、手強い。
感想
風我(ふうが)優我(ゆうが)兄弟が語る、フーガユーガ兄弟の半生。
父親にDV、母親に育児放棄されて育った二人は、ある日、二人が入れ替わっていることに気が付く。
「これってもしかして・・・」
「俺たち・・・」
「「入れ替わってる~!?」」
といっても精神が入れ替わるのではなくて、お互いがお互いの場所に身体ごと入れ替わるワープ現象。
条件がいくつかあって、
1.誕生日に10:10から二時間置きにお互いの場所が入れ替わる
※双子だけど、出生時間が二時間ずれていたことが影響?
2.入れ替わる瞬間近くの人は一瞬フリーズする
整合性を保つため?
3.触れていた人(少なくとも一人)は一緒にワープできる
と、とんでもねぇ・・・
年に一回しか実験できないから入念に打ち合わせをして、ワープの法則を紐解いていく二人。
その能力を使って、いたずらしてみたり、彼女を救う手段として使ってみたり。
半生を語るうちに・・・
二人の入れ替わる瞬間の監視カメラ映像を見て興味を持った映像編集者に語る双子の半生には、
様々な伏線が散りばめられている。
内容が現在に収束した時にこの物語の核心が始まる。
相手は、二人の人生の所々に絡んでいた人だけど、ここまで干渉する程の相手なのだろうか?
悪中の悪だけれど、主人公たちは何処にでもいる一般市民。
命を賭してまでやることかよォ!?
行動の動機がよくわからなかった話でした。
小玉を救いに行く動機のほうがはっきりとしていて良かった。
人形のことがずーっとひっかかっていたのかな?
勧善懲悪でスカッ!とする作品ではなく、
解決したけど、そこまで犠牲をだすことかよ?
の方が強い作品でした。
ここからネタバレ
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
悪役について
未成年の内から子供を何度もひき殺して刑務所に行っていた男。
出所後は、拷問クラブに出入りしたり、趣味を我慢できずに子供を拉致監禁。
・・・なんで筋トレさせていたんだろう?
筋トレ部屋に監禁してただけか。
監禁後は煮るなり焼くなりして、死体はその辺にポイー。
と残虐非道な犯人。
万全な状態まで待つべきだったか。
最後のワープ
エピローグのワープは不発。
・・・ああ、一人になってしまったんだなって。