SF小説『降伏の儀式 下(ジェリー・パーネル&ラリー・ニーヴン 著)(酒井昭伸 訳)』
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【降伏の儀式 上】異星人が地球に攻めてきた!【ジェリー・パーネル&ラリー・ニーヴン】
あらすじ
ボイジャーによる土星探査から数年後、小惑星観測の写真解析を行っていたハワイ天文台の科学者は木星軌道に「自力推進する物体」を発見する。
分析の結果、それは人工物であり自力推進で地球に向かっているということが確実視された。
科学技術で遥かに超越しているであろう異星人に侮られることを恐れたアメリカとソビエトは共同で軌道上のソビエトの宇宙ステーション「コスモグラード」で彼らを出迎えることとする。
しかし地球に接近してきた彼らは無警告で大規模な地球侵略行動を開始し地球は侵攻されてしまう。
運動エネルギー兵器やレーザーを使って宇宙から自由自在に爆撃が可能な彼らに対する陸戦での戦いは絶望的であり、さらに小惑星を太平洋に落下させられたことで地球人は壊滅的打撃を受ける。
その状況を打破するためには軌道上の彼らの母船を叩くしかない。かくして「大天使」計画が発動するのだが・・・
感想
登場人物多すぎて誰がだれだかわかんねぇ・・・
なんとか、フィスプサイドと人類サイドでの読み分けはできたけれど・・・
人類は当然として、フィスプ側も一枚岩ではなかったね。
フィスプは人類を組織に組み込もうとして、自分たちのルールで降伏させようとしたけど、
未開の地球人には高尚なルールは適応されなかった模様。
降伏(相手のお腹に自分の足を置く)させたのに反撃してくるなんて、この野蛮人!
降伏に失敗し、文化を知ろうとして獲得した捕虜は反乱し、地球に居る地球人は大反攻戦を仕掛けてくるし、
もう散々な結果になったのであった。
一番の見どころ
フィスプに占領された土地に対して米露共同で核攻撃をするシーン。
人類「奪われた土地を取り戻せ!核攻撃開始!」
フィスプ「やべぇっす!核汚染物質をまき散らしながら反撃してきます」
フィスプ「え・・・自分の惑星を核汚染させてまで反攻してくるの・・・」
フィスプ幹部たち「うわぁ・・・」ドン引き
惑星間航行を含め人類より優れた科学力を持っている相手に対してドン引きさせるのがすっごいカタルシスを感じた。