みをつくし料理帖シリーズ『夏天の虹(高田郁 著)』の感想レビュー。
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もくじ
あらすじ
想いびとである小松原と添う道か、料理人として生きる道か・・・
澪は、決して交わることのない道の上で悩み苦しんでいた。
「つる家」で料理を旨そうに頬張るお客や、料理をつくり、供する自身の姿を思い浮かべる澪。
天空に浮かぶ心星を見つめる澪の心には、決して譲れない辿り着きたい道が、はっきりと見えていた。
そして澪は、自身の揺るがない決意を小松原に伝えることに―――(第一話「冬の雲雀」)。
その他、表題作「夏天の虹」を含む全四篇。
大好評「みをつくし料理貼」シリーズ、〈悲涙〉の第七弾!!
感想
冬の雲雀~滋味重湯~
武家に嫁ぐと料理ができない。
私は料理がしたい!
ついに自分の目指すべき星が見つかった澪。
しかし、既に小松原様との結婚の返事をしてしまった後。
婚約破棄という、祝福してくれている全ての人を裏切る行為だったら澪の心の中は決まっていた。
そして、小松原様に会い、胸の内を吐露する。
小松原は、何も心配するなと言ってくれたが・・・
そして、小松原は、良縁を結ぶという形で澪との婚約を破棄した。
全ての罪が自分に向く形で婚約破棄をしてくれたのだ・・・
同じ料理人だからこそ、澪の悩みを理解してくれた小松原。
やるねぇ
ここからはあさひ太夫見受けまでノンストップか!?
忘れ貝~牡蠣の宝船~
年末、料理番付の季節が近づいてきた。
今年のつる家は大関を奪取することができるのか?
と、湧いていたが、澪は気づいてしまった。
創作料理は沢山作ったが、そのほとんどが誰かのために作ったもので、
お店で出したことがないことを。
その日から澪は寝れない夜を過ごす。
そして、料理番付当日、つる家は番付表から名前を消してしまった。
落胆する澪にりうは話しかける。
「料理番付が全てなのですか?」
その言葉を聞き、澪はつる家に来る人たちのために料理を作ることを再確認するのだった。
澪、些細なことで悩みすぎ。
ま、又次も戻ってきてくれて、新作料理もできた。
つる家は普段の姿に戻った。
けど、美緒の悪意のない善意ェ・・・
下手な期待を持たせやがるぜ・・・
一陽来復~鯛の福探し~
澪の嗅覚と味覚が消えた!?
医者の玄斎に見せても原因不明。
悩む澪の元に、一柳の店主が訪ねてくる。
味覚という才能が失われても料理は見ることができる。
皿や盛り付けに意識を払ったことがなかった澪は、
店主の一言で味覚以外で料理に携われることを知る。
いずれ味覚、嗅覚が戻ると信じ、今料理に関われることを必死に行っていく・・・
ワンエピソードで元に戻るものだと思っていたのに戻らなかった・・・
心因性の病気だと思われるけど、
どのような契機で元に戻るんだろう?
夏天の虹~哀し柚べし~
二か月間つる家に住み込みで働いてくれた、又次が吉原に戻る日が近づいてきた。
種市と澪と又次は吉原まで歩を進める。
途中、吉原が燃えているのが見えて・・・
おいおい、突然の別れじゃないか・・・
出来れば、人死にの出ないみをつくしであってほしかったなぁ
この話で少し重たくなってしまったね。
あさひ太夫の髪の焦げた臭いで嗅覚が復活するのは流石、旭日昇天。