小説『オルタネート（加藤シゲアキ 著）』の感想レビュー。
あらすじ
高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。
全国配信の料理コンテストで巻き起こった〈悲劇〉の後遺症に思い悩む蓉(いるる)。母との軋轢により、〈絶対真実の愛〉を求め続ける「オルタネート」信奉者の凪津(なづ)。高校を中退し、〈亡霊の街〉から逃れるように、音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志(なおし)。恋とは、友情とは、家族とは。そして、人と“繋がる”とは何か。デジタルな世界と未分化な感情が織りなす物語の果てに、三人を待ち受ける未来とは一体――。
“あの頃”の煌めき、そして新たな旅立ちを端正かつエモーショナルな筆致で紡ぐ、新時代の青春小説。
感想
オルタネートという高校生限定のSNSが普及している世界の話。
高校生必須のSNSアプリでオルタネートをやっていない人のほうが珍しいほどの普及率。
オルタネートで他校の人とも簡単に繋がれて、友達や恋人をオルタネートで探すのが普通な状況。
更に深く踏み込んで、オルタネートの遺伝子相性診断で高い数値が出た人とマッチングする人も出てくる始末。
そんなアプリが普及した世界だからこそ、オルタネートをスマホに入れていない人は、リアルで会う必要がある。
というのが面白い設定だと感じた。
作中でも、高校中退してオルタネートが使えなくなって、友人たちとのアクセス手段が無くなってしまった人や、
※オルタネートを利用するには学生を証明できるものが必要なのだ！
オルタネートをやっていなくて連絡が取りづらいひとや、
オルタネートやりたいがために夜間学校で高校生になる人も。
オルタネートを通じて、様々なエピソードが織り交ぜられた高校生たちの群像劇な作品。
登場人物が多く、場面の切り替わりが早いのでたまにこんがらがるけど。
関連する人物たちが一つの高校と地域に集中しているのでそれぞれに絡みがあるのも面白い。
