小説

読書初心者にオススメする読みやすくて面白い小説10選

読書初心者オススメ入門10タイトル

最近、同年代の友人が読書を始めました。
最初は、図書館で適当に一冊読んでみたらしいのですが、その後、

「読書をしてみたいと思っても、何から読んでみたらいいかわからない・・・」

と何気ない会話に発展し、何冊か進めた結果、読書に目覚めました。
新しい趣味が出来るのはとても良いこと。

個人的には、体験に勝る経験はないと思っているけど、
中には経験出来ないこと(異世界、殺人、他人など)
二度と戻れないこと(学生時代、青春など)
も多い。
それらの非日常を読書は補完してくれると思っています。

ネットで調べてみると、
一部の読書家たちは、読書初心者にオススメする小説を紹介している人が居ました。

それぞれ感性の合う合わないがあるとおもうので、僕も、自身の読書経験から10冊チョイスしてみました。
紹介記事は多い方がいいもんね。

読書初心者や、入門者が読書にハマってしまえるような、
良質な読書体験を出来る本を10タイトル!

読みやすい順に並べたので、
順番に読んでいただけると幸いです。
勿論、興味があるものから読んでも問題ありません。

それではいってみましょう!

もくじ

阪急電車

兵庫県にある阪急電鉄今津線が舞台。
『宝塚駅』から『今津駅』まで片道8駅14分。
本作は、各区間ごとに物語が発生し、リレーのバトンのように繋がっていく。
往路で発生した問題は復路で回答を得る。
1往復に当たる16話で構成。

最初は連作短編集。
一話一話が身近くまとまっていて、とても読みやすい。

恋愛、友情、マナーから教育まで。
各駅の乗客たちが抱えている悩みを他の乗客が解決し、
悩んでいた乗客が他の乗客へ・・・
と、続いていくのが面白い。

今日は一話だけ読もう。から初めて、
もう少し読んでみようかな・・・
なんて思いだしたら読書の楽しさに足を踏み込んだね。

失はれる物語

目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。
ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見立て、日日の想いを演奏で伝えることを思いつく。
それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが・・・。
表題作のほか、「Calling You」「傷」など傑作短篇5作とリリカルな怪作「ボクの賢いパンツくん」、
書き下ろし最新作「ウソカノ」の2作を初収録。

続いても短編集。
阪急電車と違い、それぞれが独立した話になっている。
作者は乙一(オツイチ)先生。
同じ作者なのに様々な作風があるのを体験して欲しい一冊。
※面白くないと感じる話があったら読み飛ばすのもアリ。

オススメなのが『手を握る泥棒の物語』。
読了感がたまりません。
というか、それだけのためにチョイスした感あり。

神様のカルテ

主人公・栗原一止(くりはらいちと)は、信州松本にある本庄病院に勤務する内科医。
彼が勤務している病院は、地域医療の一端を担うそれなりに規模の大きい病院。
24時間365日などという看板を出しているせいで、3日寝ないことも日常茶飯事。
自分が専門でない範囲の診療まで行うのも普通。
そんな病院に勤める一止には最近、大学病院の医局から熱心な誘いがある。
周りから医局行きを勧められ、自分も先端医療に興味がないわけではない。

医局に行くか行かないかで一止の心は大きく揺れる。

ここからは長編小説。

現役のお医者様が書いた医者小説。
”医療”ではなく、”医者”を描いた作品。

長野県信州松本を舞台に三つの季節で時系列順に三話収録。

一止を通して『医者と医者』、『医者と患者』の人間模様が良いのです。

あと少し、もう少し

陸上部の鬼顧問が異動で別の学校に行ってしまった。
代わりに顧問になったのは頼りない女美術教師の上原。

駅伝のことは何も知らない上原先生に、六人揃わない駅伝メンバー。
陸上部以外からなんとかメンバーを集めたが、
気弱、
喫煙不良、
頼まれたら断れない人、
唯我独尊、協調性なし吹奏楽部、
陸上部二年、
陸上部部長
の六人。

寄せ集めの六人は県大会出場を目指して、たすきを繋いでいく・・・

各章が1区、2区・・・6区と、実際に走る区間仕立てで、
章の主人公(一人称)も各区間の走者という構成。

練習~本番を通して、
中学生たちが各々が持っている問題や悩みに
各々で答えを出して折り合いをつけていく内容。

ポンコツだと思っていた新任顧問も良い味をだしています。

くちびるに歌を

第75回NHK全国学校音楽コンクール 中学校の部課題曲に使われた『手紙〜拝啓、十五の君へ〜(アンジェラ・アキ)』
に影響を受けて作られた作品。

長崎県・五島列島のとある島の中学校の合唱部が舞台。

産休で合唱部の顧問が産休で休む関係で代理できた美人顧問。

顧問と交流したくて下心丸出しで新規入部した男子と
元々の女子部員たちとの間で衝突しながらも全国大会を目指す。

笑いあり、事件あり、雨降って地固まって音楽コンクールに向けていざ!
ってスピード感が良い。

団体競技っていうのは、一体感が生まれたときは素晴らしいよなぁ

ここまでが、日常系、青春系の紹介になります。

とある飛空士への追憶

「美姫を守って単騎敵中翔破、1万2千キロ。やれるかね?」
神聖レヴァーム皇国の傭兵飛空士シャルルは、そのあまりに荒唐無稽な指令に我が耳を疑う。
次期皇妃ファナは「五芒五里に及ぶ」美しさの姫。

レヴァーム皇国の戦闘機よりも圧倒的な性能を誇る敵国帝政天ツ上の戦闘機、
作戦の全貌が敵軍に漏れ待ち伏せされる中、傭兵と次期皇妃の身分違いの旅が始まる。
蒼天の積乱雲がたちのぼる夏の洋上にきらめいた、恋と空戦の物語。

ここでライトノベルを一冊。
今どきの絵柄で敬遠しがちだけど、ちょっと待って欲しい。

良質のボーイ・ミーツ・ガール(≒少年が少女と出会い恋に落ちる話)をお約束します。

傭兵ながらピカイチの操縦技術のあるシャルルと、次期皇妃のファナが
戦闘機単騎で敵中を突破する秘密作戦。

飛行機という非日常で狭い空間の中、
敵機に襲われる吊り橋効果も相まって、急速に距離を詰める二人。
傭兵と次期皇妃の恋愛なんぞ認められるわけもなく・・・

甘酸っぱい恋愛模様も良い。
別れ際のやり取りと、エピローグが秀逸です。

読み終わったら、文庫版限定で表紙を再確認してほしい。
とあるシーンの一枚絵なのです。

十角館の殺人

986年3月26日、大分県K**大学・推理小説研究会の一行七人は、角島(つのじま)と呼ばれる無人の孤島を訪れた。
彼らの目当ては半年前に凄惨な四重殺人事件が発生した通称・青屋敷跡と、島に唯一残る「十角館」と呼ばれる建物である。
彼らはそんな島で1週間を過ごす中、メンバーの一人、オルツィが絞殺死体で発見された。
犯人は、研究会の誰かなのか、はたまた、島に潜伏している何者かなのか・・・

ここで、ミステリー小説の紹介。
新本格推理小説という時代を作った作品の紹介。

本作は、連続殺人が起きる『無人島パート』と、
無人島で過去起こった事件を調査する『本土パート』が交互に展開する。
本土と無人島、違う場所の出来事が次第にリンクしていき・・・

初見で犯人を推理できたら大したもの。
ミステリーは作者と読者の頭脳戦なのだ。

インシテミル

車を買う金欲しさにアルバイト探しをしていた学生・結城がコンビニにあった求人情報誌で見つけたのは、時給11万2000円という破格の好条件の仕事。
それは、1週間「ある人文科学的実験の被験者」になるだけという、短期のアルバイトだった。
インターネットや雑誌を見て、山間にある施設に集まったのは12人の男女。
彼らは、実験の内容を知り驚愕する。
それは、より多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった――。
地下の実験用施設「暗鬼館」に閉じ込められた12人。最初の殺人が起こり、疑心暗鬼に駆り立てられる参加者たち。互いに推理を戦わせ始める彼らを待ち受ける衝撃の運命とは・・・?

こちらもクローズドサークルのミステリー。
作中に様々な古典ミステリーのオマージュが出てくる。
中にはおっ!って思うのも出て来るかも?

一度、殺人が起こってからはページをめくる手が止まらなくなります。

読み終わったら僕のレビューも見て見てください。
ちょっとした推理をしております。

クリムゾンの迷宮

目覚めた男がいた場所は、地球のものとは思えない深紅色に染め上げられた謎の大地だった。
所持品も何もない状態で、手には側に置かれていた携帯ゲーム機のみ。
電源を入れると、その画面に映し出されたメッセージは、「火星の迷宮へようこそ」
携帯ゲーム機導くこのゼロサムゲームは、参加者9人を凄惨な世界へといざなっていく・・・

デスゲーム、ゼロサムゲームとも。

バトルロワイヤル』と同年度発売で、
閉鎖空間内で殺し合うバトルロイヤルもののパイオニアの座を奪われた悲しき存在。

けど、面白さは負けてない。
僕は、クリムゾンの迷宮のほうが好き。

角川ホラー文庫レーベルから出版されており、ホラー要素(描写)も有り。
心霊的なホラーではないので、苦手な人も手に取ってみて!

天地明察

徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。
即ち、日本独自の暦を作り上げること。
当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。
改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海(しぶかわはるみ)。
碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していた。
彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く―。
日本文化を変えた大計画をみずみずしくも重厚に描いた傑作時代小説。

最後は歴史もの。
日本の暦を作った男たちの物語。

歴史小説の面白いところは、全ての作品が繋がっていること。
その時代の何かを一冊読めば、別の何かの予習になっている。
読めば読むほど縦にも横にも知識が蓄積していく。

歴史小説ってお堅いイメージがあるけど、天地明察はとても読みやすい。
主人公の春海はナヨナヨ系主人公だけど、やるときはやる。
何度失敗してもやることはやる。
けど、失敗の挫折が半端ないんだ。
柔和で数学に真摯な春海をみていると応援したくなるそんな小説。

今回の紹介で、(文庫本だと)初めて上下巻に分かれている。
それだけの大作だけど、読みだすと止まらないよ!

まとめ

読書初心者にオススメの10作品。いかがだったでしょうか?
広く浅くジャンルを紹介できたと思っています(フンス

読書初めてみたいけど、何から読んでいいかわからない・・・
って人は、是非参考にしてください。

あっ、この本面白かった!
って人は、他の本も読んでみてください。
きっと、楽しめますよ。

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