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【十二人の死にたい子どもたち】安楽死をするために集まったのに、会場には部外者の死体が。どうする?どうする!?討論開始!!【冲方丁】

『十二人の死にたい子どもたち』ハードカバー表紙

『十二人の死にたい子どもたち(冲方丁 著)』の感想レビュー。
※読んだのはハードカバー、よってサムネもハードカバー。

マルドゥックスクランブルが好きなので作者読み。
映画『十二人の怒れる男』も好きなのでタイトル読み。

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あらすじ

廃病棟を利用した『集い』。
その『集い』に集まった十二人の男女は、
少しの時間、一言、二言の話をして安楽死を迎える。
はずだった。

集合した部屋にはなぜか十三人。
一人が十三人目の存在に疑問を持ち、意見が割れる。

執行は全員一致が原則。
死にたい人、疑問を持つ者、意見を変える者、
それぞれの意見が飛び交う集いの場。

いったい、どうなるのか?

法廷モノの名作映画『十二人の怒れる男』に影響を受けたであろう作品。

集い参加者の印象

0番ユウキ

交通事故で意識不明な男の子。
集い選考外の彼が現れたから今回の議論は白熱した。

白熱したからこそ読みごたえが出た作品になったけど、
搬入トリックとかは正直、どうでもよかった。

議論の導入に使用して、
もっと皆の死生観の議論を見たかったなぁ

1番サトシ

集いの主催者。
web上で死にたい人間を募集し、その熱量を認められた11人を集める。

常に傍観者然としているが、集まった12人には最後に話し合って欲しいと思っている。
0番のトラブルが無ければ何かしらの議題を提示したらしい。

年に似合わず、集いの準備には過不足なく、トラブル対応もお手の物。
お前、こういうの慣れているな・・・?

2番ケンイチ

分からないことは何でも質問する質問魔。
その性格が災いして、同級生や先生にいじめを受けてしまう。
それを苦にして集いに参加した。

12人の集いに0番が居たことに納得がいかないケンイチの質問から
集いの議論は始まる。

確かに、「なんでなんで?」君っているよね。
こういうヤツって、研究者とかにはウケると思うんだよな~
自分の内容のこと喋るの好きそうじゃん?

ケンイチもおべっかで質問するタイプじゃなくて、
純粋に疑問を持ったから聞くタイプ。
そういうが聞き手だと相手も饒舌になるぞ~

環境を変えれば問題は解決だね。
後日、セイゴがいじめっ子にハナシを付けるスピンオフはよ。

3番ミツエ

ゴスロリ。
大好きなアイドルが自殺したので自分も死のうと決意し集いに参加。
おバカ度高めのヒステリック。
アイドルのリョウコが死ぬことを頑なに否定。

狂信者。
後追いするほどに心酔できる人が居るというのは羨ましい。

4番リョウコ

国民的アイドル リコちゃんその人。
幼いころから母親にスポンサードされた。

テレビナイズされた自分を嫌い、
本当の自分、リョウコとして死ぬため集いに参加。

視野狭窄に陥っているけど、芯があって好き。
日本中のほとんどの人が自分を知っている。ってすごい生き辛そうだよね。
死にたくなるのも分かる気がする。

5番シンジロウ

後天的に発症したn末期の病気。
病気により体の自由が利かなくなり、その分を思考に費やした。

末期も末期、思考することすら出来ない痛みが発症するまえに、
自分のまま死ぬため集いに参加。

議論の主導権を持つ人間。
病から人間観察の能力を鍛えた。
この能力、欲しい・・・

6番メイコ

コミュニティ内にて、他人を蹴落としてポジションを得ることが生きる術。
それは父親譲りなのだが、父親の再婚によって自分のポジションが怪しくなってきている。

自殺の保険金の受け取りを父にしており、そのお金を見る度に自分を思い出させたいのが参加の理由。

今回の集いで一番ヤベーやつ。
発言するたびに読者のヘイトを貯めてくる。

7番アンリ

母親の影響で生まれながらにして梅毒罹患、薬物中毒患者。
そのことから、望まぬ生、転じて『生まれること自体が悪』という感情を持っている。
十二人の子どもの集団自殺。そのセンセーショナルな事件で世論が変わることを目指している。

自分の思想を相手に強要してくるクソアマ。
宗教勧誘の強引なおばちゃんなイメージになっちゃう。いかんいかん。
まだ信念があるだけメイコよりマシか?

8番タカヒロ

持病のせいで、
年中、眠く、頭がふわふわしている。
眠いのに眠れない。ぐっすり眠り(=死)たいので集いに参加した。
母親の自己中心的なわがまま(育児を楽にするため)投薬で、実は健康体疑惑。

実は頭脳明晰?少なくとも平均以上はありそう。
早く母親からの呪縛から解き放たれるといいが・・・

セイゴがハナシ付けるとどんな展開になるんだろう?

9番ノブオ

いじめられて殺される前に相手を殺した。
上手に隠ぺいしたけど、いつかはバレるんじゃないか?
誰かが強請りにくるんじゃないか?
ボロを出す前に死のう。
集いに参加した。

人に言えないことを持ち続けるていうのはそんなにストレスなのか?
最終的に救われたので良かった。
裁かれるにしても上手いこと立ちまわってほしいね。

10番セイゴ

母親の再婚相手に多額の保険金が掛けられている。
一年経てば自殺でも保険金が下りる。
それより前に死んでやる!

知性のある暴力ヤンキー。
親とだけ上手くいっていないだけで地域のガキ大将やってそう。
集いの一部のメンバーとはその後もしっかり交流してそう。

11番マイ

キモイおっさんにチュッチュされて病気貰った。
調べたら不治の病らしい。・・・もうだめだ死のう。

嫌われない方の「なんでなんで?」ちゃん。
こういう子って、
相手にとって脅威にならないから
みんな寛容になっているだけなんだよなぁ

今後も相手の顔色窺ってヘラヘラ生きていくのかな?

12番ユキ

私のせいでお兄ちゃんが寝たきりになってしまった。
申し訳ない。私も死ぬからお兄ちゃんを楽にさせたい。
一緒なら安心だよね?

思い込んで悪い方に悪い方に行っちゃうタイプ。
今回みたいな些細な問題も、報連相さえしっかりすればまるまる一冊使うことなかったのに!

今回の集いで生きる希望が見えたのだろうか?
明るい子になってくれればいいけれど・・・

感想

『十二人の死にたい子どもたち』
タイトルを見て、ページを開くと冒頭から各々が廃病院に集まってくるところから始まる。
???
→!←タイトルを思い出す
→死にに来てるのかッ!?

タイトルがあるから、
大した説明が無いのに廃病院に集合することに違和感を感じない。
なんか凄いと思った。

物語は、二つの軸
・集団自殺の可否
・0番をだれが、どうやって地下室まで運んできたか
が混ざり合って物語は進む。

議論をするにあたって、一人称が十二人の中から入れ替わりながら進行し、
各人格を掘り下げるかたち。

今、誰の一人称なのか見失わないのは筆者の技量と、キャラが立っているからなのかな。

全員死にに来ているのに、最終的には全員が生を選ぶのも面白い。
他人の問題を聞いて、自分の問題が大したこと無いと気づいたり、
勘違いだったことに気づいたり、
こんな理由で自分の死を辱められたくないと思ったり。

悩んだら人に話すことで救われることってあるよね。
ほんと議論は大事。僕は話下手だけど。

オススメの一冊です。

おまけ:文庫版の表紙

『十二人の死にたい子どもたち』文庫表紙
この子はだれ?リョウコ?
十二人の中に人格や思想に優劣が無いこと(好き嫌いは別として)が本作の魅力の一つだと思っていたけど
なぜこの子だけ?
あれか、アイドルだからか?所詮は顔か!?

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