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【私たちは子どもに何ができるのか】統計から導き出される子供の学校教育方法~家庭でも応用可!~【ポール・タフ】

『私たちは子どもに何ができるのか~非認知能力を育み、格差に挑む~』表紙

啓発?本『私たちは子どもに何ができるのか~非認知能力を育み、格差に挑む~(ポール・タフ 著、高山真由美 訳)』の感想レビュー。

もくじ

本の紹介

「やり抜く力」「好奇心」「自制心」……人生の成功を左右する力の育み方を、最新の科学的根拠(エビデンス)と先進事例から解き明かす!

子どもの貧困率が日本の4倍近い50%という状況にあるアメリカでは、長年にわたってさまざまな取り組みがなされている。
数々の事例と、そこから得られた最新の知見が本書にある。
本書は子どもに関わる全ての大人に読んで頂きたい。いや、読まなくてはいけない。
なぜなら、このままだと日本の貧困率は今のアメリカの状況に、まっすぐに進んで行ってしまうからだ。

本書の著者ポール・タフは、特に貧困家庭に育つ子どもにとって、非認知能力の育成がその後の人生に大きな影響力をもつことを明らかにしました。
そして日本でも政府機関や教育機関が「幼少期の非認知能力の育成」をとりあげた報告書や政策提言書を作成するなど、各方面で関心が高まっています。

本書では、非認知能力を育む方法を具体的に示しています。
紹介される事例は海外のものですが、日本の問題にも通じる内容が満載です。

認知能力から非認知能力へ

近年、教育分野では「非認知能力」の育成に高い関心が集まっています。
「非認知能力」とは、IQや読み書きの学力のような「認知能力」に対する、やり抜く力・好奇心・自制心のような能力のことを指します。
貧困や虐待など逆境にある子どものなかでも、これまで重要視されてきたIQや読み書きのような「認知能力」ではなく、やり抜く力・好奇心・自制心のような「非認知能力」がある子どもの方が、成人後に学歴が高く、健康状態がよく、生活保護率が低く、年収が高いなど、将来挫折することなく成功する可能性が高いことを発見し、大きな話題となりました。

見過ごせない子どもの貧困

「平成28年 国民生活基礎調査」によると、日本の子どもの貧困率は約14%。日本でも7人に1人の子どもが、貧困ライン以下の生活をしていると言われるようになり、「子どもの貧困問題」「教育格差」は切実な課題となっています。
この子どもの貧困は、一生の財産になる「非認知能力」を獲得する機会を奪い取ってしまいます。
そして非認知能力を育まれる機会を逃した子どもは、大人になった後に仕事や生活面でより多くの機会を失う可能性が高く、結果として、自身も貧困に陥ってしまうという貧困の連鎖を生んでしまうのです。
それは単なる家庭の問題だけではなく、保育園・幼稚園や学校、地域社会で、周囲の大人たちがどのように子どもと接するかによっても大きな影響を受けるとされています。

本書をどのように活かすか?

一方で、非認知能力の重要性は理解されたものの「どうすれば非認知能力を伸ばせるのか」という具体的な方法論は課題として残されていました。
本書は、まさにその疑問に答えようとすべく、2年にわたって新しい研究や事例を取材して結実した意欲作です。

・幼少期の親子関係のストレスをどうすれば和らげることができるのか?
・問題行動のある子どもがいるクラスの成績を上げるにはどうすればいいのか?
・自信のない生徒のモチベーションを高めるには、どんなフィードバックが有効なのか?

幼児期から思春期まで「子どもにとって本当に大切なこと」が詰まった、子どもを持つすべての親と様々な問題に取り組む教育関係者必読の一冊です。

感想

僕が受けた教育を振り返りながら読んでみた。
当時は、良いとされていたことも、統計をとってみると効果がいまいちだったり、悪手だったりするのが面白い。

教育における賞罰の限界

成績を上がると子供たちに報酬を渡すことにした実験。
子供たちはお金をもらうのに必要なだけの勉強はしたけど、
報酬を止めた数か月後には元の成績に戻ってしまった。

また、成績や素行が悪い生徒に対して、
居残り学習や、停学をしてもなにも変わらなかった。

報酬って効果がありそうなものだけどなぁ・・・
好奇心でやっていた内容に、報酬を提示すると、
学習の動機が報酬に代わってしまうって研究結果も乗っていた。
勉強のモチベーションがどこから出ているのかが大事なのかもね。
それを報酬にしてしまうと払い続ける側にも負担になるわけだし・・・

モチベーション強化方法

「自立性」「有能感」「関係性」の三つが大事。
どんな状況がそれぞれを最大限に活用できる環境になるのか?

自立性

生徒が自分で選んで、自分の意志でやっているのだという実感をもてるとき。
管理、強制をされていると感じないとき。

有能感

やり遂げることはできるけど、簡単すぎない作業をやるとき。
生徒の現在の能力をほんの少し超える課題を与えることで有能感を刺激する。

関係性

教師と生徒の関係性。
教師に好感を持たれ、価値を認められ、
尊重されていると感じるとき。

これは実践できそうな内容だ。
・・・子供が生まれたらだけど。

学業の粘り強さを生むには?

学業のためのマインドセット(心のありよう)を持つための環境づくり。
生徒たちの教室でのがんばりに最も大きく貢献する四つの信念について。

・私はこの学校に所属している。
・私の能力は努力によって伸びる。
・私はこれを成功させることができる。
・この勉強は私にとって価値がある。

と思わせること。
うーん難しい・・・!!

まとめ

自分が受けた学習方法や、
自分が良いと思っていた学習方法が、効果が薄かったのが衝撃!
効果が薄いならまだいい。
害悪になるものまで。

統計に裏付けられた教育本って説得力あるよな。
「自立性」「有能感」「関係性」この三つの情報は脳のしわに刻み込んでおこう。
いつか、いつか、使える日が来るまで!

私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む (原タイトル:HELPING CHILDREN SUCCEED)[本/雑誌] / ポール・タフ/著 高山真由美/訳

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