経済本?『ヤバい経済学(スティーヴン・D・レヴィット 著)』の感想レビュー。
読んだのは、『増補改訂版』で、
スティーヴン・J・ダブナーと共著で、 望月衛 翻訳のもの。
2007年に出版された経済学の本。
経済学って日進月歩のイメージで、内容ももう通用しなさそう。
と思いつつも読んでみると、結構面白い。
現在でも通用する経済雑学!
本の紹介
「相撲に八百長なんてないとはとても言い張れない」
データ示す八百長の証拠とは?
新聞・テレビ・ラジオ・雑誌で話題沸騰。
悪ガキ教授が日常生活から裏社会まで、
ユニークな分析で通念をひっくり返します。
不動産広告の「環境良好」の隠された意味って?
90年代のアメリカで犯罪が激減したのはなぜ?
勉強ができる子の親ってどんな人?
銃とプール、危ないのはどっち?
相撲の力士は八百長なんてしない?
学校の先生はインチキなんてしない?
ヤクの売人がママと住んでいるのはなぜ?
出会い系サイトの自己紹介はウソ?
ウィキペディアは信頼できる?
アメリカに経済学ブームを巻き起こした話題の本。
犯罪と中絶合法化論争のその後や、
犬のウンコ、臓器売買、脱税など、
もっとヤバい話題を110ページ追加した増補改訂版。
感想
この本の目玉は第4章の
『犯罪者はみんなどこへ消えた?』
1990年代、アメリカ全土で犯罪率が劇的に減った事象に対して著者の論文を説明したもの。
犯罪率の低下は、下記のような理由で減ったと考えられていた。
・失業率の低下
1990年代初頭のアメリカは好景気に見舞われていた。
失業率が1%下がると非暴力犯罪が1%減る。
1990年代、失業率は2%下がった。
一方、非暴力犯罪は、40%も下がった。
好景気だけでは説明にならない・・・
・懲役(死刑)の増加
1980年から2000年までで、麻薬関係の犯罪で刑務所に送られる人の数は15倍になった。
他の犯罪に対する懲役、とくに暴力犯罪に対する懲役も長くなった。
犯罪減少の1/3はこれで説明できる。
・警察の増員
アメリカにおける人口一人あたりの警察の数は1990年代にくらべ14%も増加した。
他にも、
・銃規制の強化
・麻薬バブルの崩壊
・人口の高齢化
などあげられるけど、これだけじゃ犯罪減少率の全てを説明することができない。
じゃ、何が一番効果があったのか?
それが、1973年に行われた「ロー対ウェイド裁判」の判決で、
アメリカ全土で中絶が合法化されたということ。
”女性が子供を持ちたくないと思うのは、そう思う理由があるからだ。”
例えば、未婚の妊娠だったり、若すぎたり、貧乏だったり。
「ロー対ウェイド裁判」の判決後一年間で約75万人の女性が中絶を受けた。
1980年代には160万件。
ある調査によると、中絶された子供が生を受けていたら、
平均的な子供に比べて貧しい生活を送る可能性が50%も高かった。
片親だけで育つ可能性は60%も高かった。
子ども時代の貧困と片親の家庭は、子供が詳細犯罪者になるかどうかを予測できる最も強力な要因に数えられる。
結論:犯罪が減ったのは中絶の合法化である
とまぁ、こんな感じの内容の本。
当時、上記の論文を提出したら反発が物凄かったんだって。
そりゃ、インパクトがある内容だもんなぁ
他にも、『不動産業者は、自分の物件を売るときのほど条件を良くする』
とか。これもすごい叩かれたって。
更には、相撲の八百長問題にも切り込んでる。
統計から読み取ってみると、八百長行われてそうだよなぁ
相撲の黒いウワサがまさかアメリカまで届いているとはね。
話のネタとして使える内容が多数収録されている本です。