小説

【DINER】殺し屋たちが集う食堂のウエイトレスとなった一般女性の日常【平山夢明】

小説『DINNER』表紙

『DINER(平山夢明 著)』の感想レビュー。

DINER→ダイナーと読む。

× DINNER
ディナー、正餐(せいさん)、晩餐会、定食

〇 DINER
ダイナー、食事する人、ディナーの客、食堂車、(食堂車風の)簡易食堂

間違えて覚えてた。

あらすじ

山中、穴に埋められた状態で咄嗟に出た最後の悪足掻き、

「わたし、料理が得意なんです!」

その一言で、オオバカナコは九死に一生を得、
定食屋(ダイナー)『キャンティーン』に売り飛ばされ、ウェイトレスとして働くことになる。

ところがこの定食屋、殺し屋たちが食事に来る店だった。
客は、頭のネジがぶっ飛んでいる殺し屋たち。

店内には、過去亡くなったウェイトレスの写真が何枚も飾ってある。
対応を一つ間違えると気まぐれで殺されかねない状況で、
カナコはやっていくことができるのか?

感想

食べ物のおいしそーな描写と拷問のおぞましい描写が混在する作品。
最初は同じぐらいの比率だったのに、
だんだんと拷問の描写が多くなっていくんだもんな。
つか、店でメシ食うより死体になる方が多いってどんな定食屋だよ。怖いよ。

食事にくる殺し屋たちは『キャンティーン』になんらかの救いや安らぎを求めている。
殺し屋といえど人間、
けれど、殺し屋といういう職業からくる独特の悩み。
”ぶっ飛んでるけど言っていることは理解できる”
奇妙な感覚を楽しむ作品。

もくじがメニューになっていて、
『究極の六倍とベネズエラの濃闇』とか
『デルモニコの掟とスキンの子守唄』とか
よく分からない名前になっている。
どんな料理&展開なのかは本編を読んでみて!

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おいしそーな描写

あっと言う間にチーズは液化し、周囲に流れ出す。
胃がキュッとなるような香ばしい脂の匂いが立ち込める。
それをフライ返しで掬うと準備万端のバンズに載せ、
さらにその上にチーズを何枚も重ねた。

熱々のパティが重ねたそばからチーズを溶かしていく。
やがてパティと共にレタスやトマトなどの具材もチーズのコーティングで大方、隠れてしまった。
物凄く贅沢なチーズの使い方だ。
皿の上にまでトロトロのチーズが溢れ出していた。

おぞましい描写

「産婦人科だ。それも堕胎専門だったんだ。俺は掻き出すのが好きなんだよ」

「需要があるから供給するのさ。面白いぜ。
俺が好きなのは部分分娩といって胎児の体を刻んで出すやつなんだ。
塩ビのベトベトした人形みたいなのがバラバラに出てくる。
俺はそれを家に持ち帰って製氷機でロックアイスに閉じこめるんだ」

「それで飲む高級スコッチは格別なんだよ。溶けたらそのまま飲み込んでしまう。
歯ごたえのある烏賊みたいなもんだ」

好きな台詞

「良い酒だからな。
良い酒、いい女、良い人間は、この世じゃ虹と同じよ。あっと言う間に消えちまう。
だから逢ったら機会を逃さず、平らげてしまうことが大事なんだ」

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