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【功名が辻2巻】時代は乱世、本能寺の変から秀吉が関白に。時代の波を乗りこなせ!【司馬遼太郎】

『功名が辻』文庫2巻表紙

小説『功名が辻2巻(司馬遼太郎 著)』の感想レビュー。

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あらすじ

木下藤吉郎(豊臣秀吉)の手についた伊右衛門の出世は、遅々としてならない。
そして日の出の勢いだった織田家に転機がきた。
信長が本能寺で倒されたのである。
跡目をねらう諸将の中で、いち早く飛び出したのは秀吉であった。
伊右衛門にも運が向いてきた。
四十歳を目の前にして、彼はやっと大名になった。
わずか二万石の・・・。

感想

乱世で50石の武士が、結婚して立身出世していく物語。
賢い妻の千代が旦那を上手いことヨイショして、良い方向に軌道修正していく。
二巻終了時点で、六万石!!

そして、秀吉おじいちゃんの耄碌が始まっていく・・・
秀吉の朝鮮出兵、武将に渡す土地が無いから新しい領土を求めて・・・だと思っていたけど、
本著は、
・第一次朝鮮出兵・・・鶴松が無くなった傷心から?
・第二次挑戦出兵・・・秀頼のために他の大名の戦力を削っておくため

という表現だった。
第二次出兵の理由は、なるほどな~って思ってしまった。

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2巻でのできごと

■中国遠征、微中高松城攻囲戦

■本能寺の変
3000石長浜領主

■柴田征伐
水攻め凄い
一豊、3500石

■秀吉vs家康
一豊、七千石

■秀吉関白になる
一豊、二万になり、長浜城ゲット

■北国征伐

■天正地震
中部地方で発生した巨大地震

■島津征伐
この辺はサッとおわってしまった。

■北条征伐
兵糧攻め凄い

一豊、遠州掛川六万石に

■大明国へ攻める
秀吉おじいちゃんの耄碌が始まる・・・

千代の功績

光秀を逃がしたことに対して・・・
→少し考えれば先回りできたよね?

「戦は人の波と共に駆け退きしていては、名は立てられませぬ」

どんな世でも、人と同じことをやっていちゃダメなんだな・・・

(この人は、まだまだ創り上げてさしあげねば、そこまではゆけぬ)
山内一豊が、多少とも英雄の名に値するとすれば、すべて千代の作品であった。

「英雄とは、あのひとのことでしょう」
と、千代はいった。
天下の七割を制覇した秀吉に対し、毅然たる独立をたもっている家康に、千代は恋に似たものを覚えた。

「千代だけではございませぬ。
おそらく天下の武将は、いま油断なく徳川様の動きを見ておりましょう。
一豊様も、ご関心をお持ちあそばすように」

それとなく、家康へ注目させる千代の図。  

秀吉の北国征伐中に長浜城が兵站基地になったので・・・

千代は、このはじめての経験に金を惜しまなかったから、
各城下を通過してゆく武将の間では、
「長浜がもっともいい。山内対馬守殿はご内副じゃな」
という評判がたった。

金の使い方ややりくりが上手い。

千代は、悲しみを殺さねばならなかった。
実のところ、初野の死を悲しむ用などいまはない。
が、こういう場合、戦国の世の統率者というのは、家来の心服をかち得るために偽善者にならざるをえなかった。

実子が死んでも、家臣の家族の死を優先する。
トラブルの場での応対が後の信頼を勝ち取っていく。

「着せもせぬ小袖をつくるとは、どういうことだ」
「道楽」
千代は笑っている。
「えっ、人にくれてやるのか。誰にやるのだ?」
「これの似合う人に」

小袖が有名になる

北政所の眼にとまる

天皇の前でお披露目

秀吉の脳裏に、伊右衛門の処遇のことが刻み込まれたのはこの時からといっていい。
小袖のお陰なのである。

なんか良い方に転がり過ぎじゃない?

何気ないことでも動いてみることが大事なのかもしれない・・・

北条征伐時、米の物価が上がらないのを不思議がる千代。

千代「なんで?」
一豊「わかんね」
千代「一豊様、左様なことでは、大名はつとまりませぬ。
なぜそうなのか、誰かに聞いてくださりませ」
千代の伊右衛門教育がはじまった。

疑問に思ったことをすぐ解決しようとする行動力。
それを、旦那にやらせてさりげなく教育するのも凄いね。

「なるほど、手なずけたわけか」
「征伐をなさらずに、ね」
「ふむ」伊右衛門は、生徒のようにうなずいた。

「徳川様に対してさえ、そうでございましたが、後日、これは大事に至りましょう」
「大事というのは?」
「関白殿下の亡き後、徳川様が天下の座にお座りになられるのは、火を見るより明らかでございます」
「容易ならぬことをいう」

千代の家康観。
そして、家康の機嫌を損ねないように忠告する千代。

千代は、いずれ、今日の関白秀次が謀反をおこしそうに思えてならない。
すると、秀吉とのあいだに小競り合いの一つもおこなわれるだろう。
人質もとる。
千代がとらわれれば、伊右衛門は秀次側につかざるをえない。
(そうならぬよう、ひとあしさきに伏見へ移ってしまいたい)

「さすがは---」
と、伏見城の太閤秀吉は、京を脱出してきた千代と徳川秀忠をほめた。
「伊右衛門の奥は、評判の才女だけある。
ひきつづき才覚よく抜け出た中納言もまた、徳川殿の子じゃ」
情勢を見て身を処すのに機敏である、というのであろう。

人質から逃れて一豊は秀吉側に付くことができた。

千代の山内家は、さいわい、千代の先見によってこの難からまぬがれている。
「千代、そなたのおかげだ」
と、伊右衛門は、あやうく虎口を通り抜けたような、ひどく安堵した表情でいった。
「いいえ、一豊様のお力でございましょう。
亡き秀次様をあれほどお嫌いになられていたことが、良かったのでございます」
「いやいや」
この度ほど伊右衛門は千代をありがたいと思ったことはなかった。

この文で二巻は終わり。
一豊、お前、もっと千代に感謝しろよな!?

印象に残っている言葉

伊右衛門には、故主信長への干渉などは実のところ、ない。
そこが戦国武士である。
感傷は皆無ではないが、それにより自分の功名、栄田津、名誉を思う気持ちの方がはるかに強い。

「坊主、わ、わしは浮世に踏みとどまる。
おぬしに白刃につきつけられて、やっとわかった。
浮世とは、生きて戦うしか仕方ないところじゃと、やっとわかった」

「それが悟りというものだ。
逃げずに浮世の主人になれ。
我が我が身の主人になれ」

生きることは戦いだ!
戦いなのだ!!
命を燃やして戦うのだ!!

もう、説明をきく必要もなかった。
ただひたすらに小袖の礼をいった。
千代はそれをさえぎり、
「わたくしのほうこそ、お礼をいいたいくらいです。
加乃殿は、着てくれておりますか?」

承雲は工匠だけに、千代の創作意欲というものがわかるのである。

プロはプロを知る。
そういう関係性を僕も作りたいなぁ

(他人の不幸程、おもしろい見物はないのかもしれない)
人間の残酷さを、千代は思った。

これ、誰にだって多かれ少なかれあるよなぁ・・・
なるべく良いところだけ見ようとしているけどさぁ

まとめ

秀次、ぶっ飛んだ輩じゃねーか。
権力使い放題、やりたい放題の秀次と、
温室無菌培養の秀頼。
これは、豊臣家も滅びますわ・・・

三巻は、きっと関ヶ原の戦い。

山内家はどちらの陣営につくのか?
政治感覚の優れた千代の判断は?

三巻も楽しみです!!
【功名が辻3巻】ついに秀吉が亡くなった。伊右衛門・千代はどのように動くのか?【司馬遼太郎】

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