『凶鳥の如き忌むもの(三津田信三 著)』の感想レビュー。
刀城言耶シリーズの第2長編。
特徴は、民間伝承と殺人を掛け合わせたホラー寄りの内容。
あらすじ
昭和30年代前半のある年の8月中旬、刀城言耶は、鳥坏島の鵺敷神社に伝わる秘儀〈鳥人の儀〉に参加するため、兜離の浦を訪れる。
言耶はまず、郷土史家から兜離の浦の歴史について話を伺う。
その中で、18年前の8月13日に鳥人の儀が行われた際、鳥坏島の逃げ場のない断崖絶壁の上の拝殿から、当時の巫女である朱名が忽然と姿を消し、さらにそのとき島にいた7人のうち、朱名の長女で当時6歳の朱音を除いた6人が行方不明になり、その6人というのが、大阪の城南民俗研究所の助教授と助手、男子学生の4人であったことがわかる。
そして言耶は徳朗に、今回の鳥人の儀が無事に終わるように見守ってもらえないかと頼まれる。
今回、鳥人の儀の立会人を務める言耶、辰之助、行道、欽蔵、正声、瑞子、赤黒は鳥坏島に着くと、拝殿を見学した後、夕食を摂る。
その席で言耶は朱音から鳥人の儀のことなどについて話を伺う。
やがて午後7時頃、鳥人の儀が始まる。
しかし、始まってからわずか20分ほどで逃げ場のない拝殿内から朱音が姿を消していた・・・
拝殿内を捜索するも、朱音の姿は見つからないのであった。
感想
民間伝承聞き込みパート
事件パート
推理解決パート
の三部構成が刀城言耶シリーズの基本形。
僕は、聞き込みパートが苦手で、読み込むスピードがどうしても遅くなってしまう。
聞き込みの内容が推理に生かされるんだけれど、興味がないからあまり覚えていないのであった。
事件が起きてからは、どうやって密室から消えたのか?
他にも居なくなった人たちはどうなったのか?
とハラハラするシーンが多いので読むペースが上がるんだよね。
今回は、巫女が消えた理由が分かった時のおぞましさと言ったら・・・
そこまで伝承の畏怖を守りたかったのか?という、行動心理に恐怖したのでした。