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【みをつくし料理帖6】【心星ひとつ】感想レビュー【高田郁】

『心星ひとつ』表紙

みをつくし料理帖シリーズ『心星ひとつ(高田郁 著)』の感想レビュー。

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あらすじ

酷暑を過ぎた葉月のある午後、翁屋の桜主伝右衛門がつる家を訪れた。
伝右衛門の口から語られたのは、手を貸すので吉原にて天満一兆庵を再建しないか、との話だった。
一方登龍楼の采女宗馬からも、神田須田町の登龍楼を、居抜きで売るのでつる家として移って来ないか、との話が届いていた。
登龍楼で奉公をしている、ふきの弟健坊もその店に移して構わないとの事に、それぞれが思い揺れていた。
つる家の料理人として岐路に立たされた澪は決断を迫られる事に--
野江との再会、小松原との恋の行方は!?
『みをつくし料理帖』シリーズ史上もっとも大きな転機となる、待望の第六弾!!

感想

青葉闇~しくじり生麩~

雨の無い夏で、青野菜の生育が悪く、お店で出すには味が良くない野菜ばかりだった。
なので澪は一年中食べられる料理(乾物など)の開発をするため、
大阪で食べた生麩料理に挑戦する。

そんな中、旅籠屋よし房の店主、房八が芳にアプローチしてきた。
房八の後妻に収まれば芳はまた女将として活動することができる。
澪は悩む・・・

生麩料理に悩んでいる中、坂村堂の父で日本橋一柳の店主に一柳の生麩料理をふるまわれ、
味の違いに驚愕する。
そこには、素材から厳選するこだわりがあった・・・
一柳の主は言う。

「ずっと、つる家の調理場に立つつもりですか?」
「ひとは与えられた器より大きくなることは難しい。
あなたがつる家の料理人でいる限り、あなたの料理はそこまでだ」
と言われてしまう。
天満一兆庵の再建、
野江ちゃんの見受け、
やらなければならないことは沢山あるが、
このままつる家でやっていても・・・

今でこそ料理は簡単にレシピを調べられるけど、
当時は秘中の秘だった料理もあったのだろうか?

また、澪の現状に対する否定をされ、どう心がうごくのか?

天つ瑞風~賄い三方よし~

葉月のある午後、翁屋の桜主伝右衛門がつる家を訪れた。
伝右衛門は、吉原に建物を用意した。そこで天満一兆庵を再建しないか、との話だった。
一方登龍楼の采女宗馬からも、神田須田町の登龍楼を、居抜き格安、健坊付きでで売るのでつる家として移って来ないか、との話が届いていた。

吉原に出店すれば、かなりの稼ぎを期待でき、あさひ太夫の身受けが早まる。
神田に出店すれば、ふきと健坊やが一緒に居れる。

澪が悩んだ末に出した答えは・・・

澪の選択は一番人情的な選択だったけど、
一番稼ぎが悪い選択。
澪の優先度はどうなっているんだ?

時ならぬ花~お手軽割籠~

町でボヤ騒ぎが多く、町年寄たちが飲食店に対する規則を決めた。
それは、『飲食店の火の扱いは午前8時から午前10時までの二時間』
というもの。
寒くなってきた季節に暖かい料理が出せない。
これは飲食店にとって致命的で、
昼まではギリギリぬるい食事を出せるが、
夜になるにつれ、食事は冷たくなり、客足も遠のいていった。
規則はそこまで長くないだろう。と踏んだ澪は、
冷たくても食べれる料理ということで、お弁当を格安で販売する。
それは、当座凌ぎとしてそこそこの売上を記録するのであった。

同時期、以前助けた武家の早帆という女性が料理を教えて欲しいと店にやってきた。
火の規制のため、昼以降は手が空いてしまう澪は早帆へ料理のいろはを教えることになる。

強制力のあるお上からの火規制の前に、
自分たちで緩めの規制でお上のおりを躱そうという試み。
それでも、料理屋が火を使えるのが二時間だけとか酷すぎる。
それでも逆境をアイディアで乗り越えていく澪一行、いいね。

心星ひとつ~あたり苧環~

早帆は小松原様の妹だった!?
早帆の口添えで、小松原様と結婚ができるようになった澪。
武家と町人が結婚するためには色々と小細工が必要なようで、
結婚が決まれば二年間の武家修行を行わなければならない。

武士の妻になるということは、もう料理にふれることはないだろう。
澪は想い人との結婚はうれしいが、料理をすることができない。
という、自分の芯を曲げなければならないことに苦悩する。

タイトルの通り、自分の心星が決まる一話。
それでも決定が遅かったので周りに迷惑はかけちゃいそう。

あさひ太夫の見受け。
という目標ができていたものの、のらりくらりしていたストーリーにも一本芯が入るか!?

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