小説

【汝、星のごとく】毒親に翻弄されながら過ごす人生【凪良ゆう】

『汝、星のごとく』ハードカバー表紙

小説『汝、星のごとく(凪良ゆう 著)』の感想レビュー。
毒親ってのは無自覚だけど、子供をむしばんでいくんだなぁ・・・

あらすじ

その愛は、あまりにも切ない。

正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。

ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

感想

凪良ゆう先生の本は以前読んだことがある。『流浪の月』。
感想レビューにも書いたけど、主人公にすごくイライラさせられる内容だった。
【流浪の月】もっと言いたいことを言えよ・・・【凪良ゆう】

なので読んでも楽しめるかな?と思いつつ、本屋大賞だし・・・
と読みだすまでにモヤモヤしていたけれど、最終的には楽しく読めました。

男主人公の櫂も女主人公の暁海も方向性は違えど、毒親に育てられている。
こんな親、さっさと見捨てればいいと思うんだけど、肉親だからなかなか見捨てられずにずるずると・・・
親元を離れても毒親の呪縛は巡ってくる。
そこに他人の視線(閉鎖的なコミュニティや、世間の反応)に過剰に反応してしまってずるずると悪い方向に。
感受性が豊かだからこそ起きた悲劇だね。

他からみたら、櫂と暁海の人生は悲惨なものだけれど、お互いは最後幸せだったのかな~って。
そう思わせてくれる読了感でした。
あと、北原先生もなかなかに歪んでるよなぁ~

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