三毛猫のオスは昔から珍しい存在と認識されており、縁起モノとして重宝されていました。
オス三毛のいる店は繁盛するなどといわれたり、
船に乗せるとその船は絶対に沈まず、大漁が約束されているなど
引っ張りだこで高級品。
三毛猫のオスが珍しいことはわかったけど、
なんでそんなに生まれづらいのか?
それは、XとY染色体と体毛の色を決める遺伝情報にあったのだ!
猫の体毛遺伝子
そこに茶色の毛色を出現させる『O遺伝子』と
茶色以外の黒い毛色を出現させる『o遺伝子』とが
組み合わさることで三毛猫は誕生する。
つまり『Oo』ができなければ三毛猫にはならないということ。
そして、「O遺伝子」も「o遺伝子」も『X』性染色体の中にだけ存在する。
メス猫の性染色体は『XX』なので、黒と茶色の2色に白が加われば、三毛猫が生まれるのは珍しくない。
一方、オス猫の性染色体は「XY」なので、黒か茶色のどちらか一色しか現れず、それに白が加わっても黒白あるいは茶白の2色の毛色になるだけ。
ごくまれに生まれるオス三毛は、染色体異常によってX遺伝子が一つ増えた『XXY』という非常に特殊な性染色体を持っているのだ。
普段なら絶対生まれず、
生まれたとしても遺伝子異常だったというオチのオス三毛猫。
猫の毛色の研究って面白いね。
白毛遺伝子についても言及があったよ
白毛遺伝子について
絶対優性の白・最強の白遺伝子
猫の模様を見ていると本当に千差万別です。中にはとても変わった色や模様の猫がいますよね。
猫の毛柄は、20種類以上の遺伝子が複雑に組み合わさって表れたもの。出身地や猫種ごとに遺伝子も異なり、さらに環境の影響を受けることがあるそうです。
その中でも今回は白猫がもつ「W」という遺伝子についてふれたいと思います。
この白猫が必ずもっている白い毛色をつくる「W」遺伝子はあらゆる毛色、模様の遺伝子よりも優性に働きます。
どういうことかというと…
他に黒の遺伝子をもっていようが、茶トラの遺伝子をもっていようがすべて抑えて全身真っ白にしてしまうからです。
WW
(白い毛色をつくる遺伝子を2つもつ場合)
×
BB
(白猫以外)
片方の親がW を2つもつ白猫の場合、その子猫(W B )は白い毛色のW 遺伝子を1つもつため皆白猫になってしまうのです!
このように他の毛色の遺伝子をもっていても全身白一色にしてしまうため、「絶対優性の白」・「最強の白遺伝子」と呼ばれるのです。
体の色が目立って天敵に襲われやすいのにもかかわらず白猫が世界各地で見られるのには、この「白い毛色をつくる」遺伝子の強さが少なからず関係があるそうです。
ネコ毛の研究って面白いね!