『現代語訳 渋沢栄一自伝~「論語と算盤」を道標として~(守屋淳 編訳)』の感想レビュー。
400社以上の会社を立ち上げた日本資本主義の父。
一万円札の肖像になるという噂を聞いてどんな人なのか気になり、
図書館で探したら見つけた。
渋沢栄一の本では『論語と算盤』が名著らしいけど、ほら、昔に書かれた本って難しそうじゃん?
というわけで、”現代語訳”に読みやすさを感じて本著を手に取ったのだった。
本著について
本書は、渋沢栄一が偉人としての渋沢栄一となるまでの過程を語り下ろした自叙伝、
および関連資料を翻訳し、その人生を再構成したものだ。
尊王攘夷の獅子から一橋家の過信、大蔵省出仕から実業界や福祉事業へ、
国際親善へといった彼の人生は、幕末維新の激動を反映して、
暴れ馬にでも乗っているようなスリルと面白さにまず満ち満ちている。
そして同時に、彼が人として何を身に着け、何を磨きあげ、何をやり遂げてきたのかの過程がそこには描かれてもいる。
まさしく「人としての根底の部分をいかに身につけるのか」
「身につけたものを基にして、人は何をなすべきか」
の具体的事例がここにはあるのだ。
本書の構成は、前半を『雨夜譚』、
後半を『青淵回顧録』という資料に主に依っている。
ただし、それだけでは描き切れていない部分も多く、他に
『渋沢栄一伝記資料』
『論語講義』
『航西日記』
『実験論語処世談』
『青淵百話』
『論語と算盤』
さらに本人が直接証言をのこしていない重要な業績や事実に関しては
『熱海閑談録』
『攘夷論者の渡欧』
といった資料から補填してある。
また、考証には『渋沢栄一 Ⅰ・Ⅱ』を参照した。
なお、紙幅の関係で残念ながら省略せざるを得なかった内容も多く、
訳出部分も必要部分のみであること、
人名表記などは一般的なものに改めたこと、
また年号など明らかに永一の記憶違いであるものに関しては訂正をほどこしてあることは一言お断りしておきたい。
本著、まえがきより
感想
渋沢栄一の一生を時系列で描いた本。
明治、大正の人だと思って本を読むと、
明治維新の偉人の名前が沢山出てくる、
西郷隆盛
伊藤博文
近藤勇
木戸孝允
土方歳三
徳川慶喜
オイオイオイ、僕でも知っている名前そろい踏みじゃねーか!
そうだよな、江戸時代末期には成人してたんだもんな・・・
それにしても激動の時代を生きただけあって、行動力が凄い
農家生まれ
→尊皇攘夷志士になる
→幕府に狙われる
→一橋慶喜(徳川慶喜)の家臣になり匿ってもらう
→慶喜の親族、民部公子のお供としてパリ万博へ参加
→海外にいる間に明治維新
→帰国後新政府の大蔵省で働く
→盤石の人生を捨て民間に下る
→銀行作ったり色々してたら日本資本主義の父になる
あらすじはこんな感じ。
一生約300ページに収めているので各時代のことは細かく掘り下げておらず、表面をなぞるだけ。
それでも何をやってきた人なのかおおよそは見えてくる。
自己啓発本、ビジネス本というよりかは、伝記だね。
渋沢栄一の入門書としてオススメ!
よーし、次は『論語と算盤』に挑戦してみっか!?