ノンフィクション

【深夜特急第1便】日常にある閉塞感を突破するには外の世界に出よう【沢木耕太郎】

『深夜特急第一便黄金宮殿』表紙

『深夜特急第1便 黄金宮殿(沢木耕太郎 著)』の感想レビュー。

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刊行当時の若者たちに刺さり、大量のバックパッカーを生み出したレジェンド本。
その内容は、世界中を身一つで貧乏旅行する旅行本なのである。

1巻の行程

香港 → マカオ → バンコク → マレーシア → シンガポール

第一章:朝の光

アパートの部屋を整理し、引き出しの中の一円硬貨までかき集め、
千五百ドルのトラベラーズ・チェックと四百ドルの現金を作ると、
私は仕事をすべて放擲して旅に出た・・・

それにしても、この虚ろさはどうしたことだろう。
籠の鳥と違ってどこにでも自由に飛び立てるはずなのに、
異国の安宿で、薄汚い寝袋にくるまり、朝、茫然と天井を眺めてみじろぎもしない。
その姿には、見ているものをぞっとさせる、鬼気迫るものがあった。

・・・分かる。
非日常を求めて外に飛び出したのに結局ぐだぐだしちゃう展開。分かるわ~

第二章:黄金宮殿

黄金宮殿という名の奇妙な宿屋に放り込まれた私は、
香港中を熱に浮かされたように歩き回り、
眺め、話し、笑い、食べ、呑んだ。
香港は毎日が祭りのようだった・・・

止まった格安宿は簡易ラブホテルだった!?
外に出てみると、道中に出店がある。
香港では日常の風景だけれど、旅人には非日常に映る。
そんな風景が旅の醍醐味だよね。

第三章:賽の踊り

香港の喧騒と熱狂を離れ、息抜きにマカオに立ち寄った私は、
”大小”というサイコロ博奕に魅せられていった---。
やろう、とことん、飽きるか、金がなくなるまで・・・

ギャンブル中毒の才能アリ。
正常な人からみれば滑稽だけど、
ギャンブルに熱が入っちゃっているその人なりに理のある思考。
それが上手くいく場合もあれば、失敗したりもする。

第四章:メナムから

オートバイはマフラーをつけずに走り廻り、
タクシーは爆音を残して発進し、
バスは絶え間なく警笛を鳴らす。

恐らく、彼はこう言いたかったのだ。
よその国に、飛行機に乗って遊びに来て、金がないなんて台詞が通用すると思っているのかよ、おまえ。
ふざけるんじゃない。

その土地で、一生懸命稼いでいる人からみたらなんて恵まれた人なんだろう。
って写ってしまうよね。

第五章:娼婦たちと野郎ども

マレー半島を南下してゆく途中、私はベナンで娼婦の館に滞在した。
女たちの屈託のない陽気さに巻き込まれ、
ピクニックに出かけたり、ヒモの若い衆と映画を見たり・・・

電車で半日とか辛すぎる。
今回泊まった場所も、簡易娼館。
やっぱ、安いんですかねぇ?

連泊しているうちに、娼婦と仲良くなり、
娼婦のヒモ達とも仲良くなる。
一緒に遊んでいるけど、なんか物足りないよなぁ?

第六章:海の向こうに

シンガポールに着いて”香港の幻影”ばかりを求めて旅していたことに気が付いた。
今は、中国文化圏に属さない国の、強烈な臭いのする街へ急ぐべきなのかもしれない・・・

物足りない理由は、降り立つ場所場所で、”香港”を求めていたから。
よっぽど刺激的だったんですねぇ
中華圏の文化が行く先々で見え隠れするのも良くない。
よし、ほかの文化圏にいくぞ!

おなじバックパッカーの二人組と話しているとそんなことを思った。
彼らは数年単位で世界を回るらしい。
半年という期限に縛られていた自分が馬鹿らしい。
よし、自分も満足するまで世界を徘徊するぞ!

多分、私は回避したかったのだ。
決定的な局面に立たされ、選択することで、何かが固定しまうことを恐れたのだ。
逃げた、といってもいい。
ライターとしてのプロの道を選ぶことも、まったく異なる道を見つけることもせず、
宙ぶらりんのままにしておきたかったのだ・・・

分かるなぁ
崇高な目的があって、バックパッカーになったのではなくて、
逃避の先にバックパックがある。っていうのが親近感が湧くね。

2巻へ続く・・・
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