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【あきない世傳金と銀12 出帆篇】呉服太物仲間も作り呉服の取り扱い復活!【髙田郁】

『あきない世傳金と銀12 出帆篇』表紙

『あきない世傳金と銀12 出帆篇(髙田郁 著)』の感想レビュー。

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あらすじ

浅草田原町に「五鈴屋江戸本店」を開いて十年。
藍染め浴衣地でその名を江戸中に知られる五鈴屋ではあるが、再び呉服も扱えるようになりたい、というのが主従の願いであった。
仲間の協力を得て道筋が見えてきたものの、決して容易くはない。
因縁の相手、幕府、そして思いがけない現象。
しかし、帆を上げて大海を目指す、という固い決心のもと、幸と奉公人、そして仲間たちは、知恵を絞って様々な困難を乗り越えて行く。
源流から始まった商いの流れに乗り、いよいよ出帆の刻を迎えるシリーズ第十二弾! !

感想

■五鈴屋江戸店10周年
毎年の鼻緒には鈴をつけて10周年特別デザイン!
よく潰れなかったよなぁ・・・

本書は、江戸店創業10年~12年のお話。

■相撲浴衣は毎回繁盛
安定した収入源かと思いきや、相撲が雨天延期や、天皇崩御で中止になったりすると収入がゼロに。
相撲浴衣以外にも商いを頑張らなければ。

■呉服扱い復活!
お上の法外な資金要求も上手いこと分割し、浅草太物仲間は、浅草呉服太物仲間へ。
五鈴屋も呉服商へ復帰を果たしたのだ。

■呉服手形
『家内安全』柄の呉服と、呉服手形という金券を発行。
日本橋音羽屋も負けじと発行。
敵が活動し出すと盛り上がってくるね。

■武士の結婚祝い品と日食
武士が結婚祝い用にと五鈴屋に依頼をしてきた。
依頼品をまとめ、受け渡しの日が近くなったころ、武士から今回の件は無かったことにされた。
後日、日本橋音羽屋が暗躍していることを知り・・・
武士に日食のことを伝えたことにより、噂は好転することができたが・・・

■遊郭衣装編
吉原遊郭の衣装比べ会への打診をされた五鈴屋。
衣装は華美を比べるものではなく、その人の着心地などを優先すべき。
という考えから一度は断った。
が、今回、衣装を着せたい女性が現れたため参加することに。

■感想の感想
中盤まで日本橋音羽屋の目立った妨害は無く、仲間たちと商いの波に乗るために奔走する。
既存の浴衣から呉服を扱えるようになり、本領発揮。
武士や上流階級の人とも縁ができることに。

既存客も蔑ろにせず、太物、呉服と扱うようになり人でもいるし・・・
とまさに大海原へ旅立つ出帆編。
一番事故の多い、入江ゾーンを超えるための最後の難関は吉原花魁衣装比べ会。
日本橋音羽屋の直接対決は次巻へ持ち越し・・・
対決自体は次巻の後半辺りになるんだろうなぁ。

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