2022年に読んだ本の総数、34冊!
その中から面白かったなぁという本たち全10冊を紹介します!
こういった年内まとめを作っていると、もう今年も終わりなんだな。って。
読んだ順に面白かった作品を紹介します。
それでは早速どうぞ!
もくじ
蒼海館の殺人(阿津川辰海)
【蒼海館の殺人】犯人の策略は推理されることも織り込み済み!?【阿津川辰海】
前作(読んでない)の事件で傷心した友人を見舞うためにY村を訪れた主人公。
夜から大雨が降り、Y村は陸の孤島に。
そこで発生する、連続殺人・・・
三つの殺人にはそれぞれ動機があるのだけれど、全ては真犯人『蜘蛛』が操った結果だった!?
二転三転する推理と、家族の軋轢が紐解かれていく推理パートが面白い!
えっ?あの時の台詞が!?なんて、読み返したくなる一冊でした。
時計館の殺人(綾辻行人)
綾辻行人先生の館シリーズ5作目。
時計館に住む怨霊の仕業?
なんて展開から始まるけど、そこは実績のある館シリーズ。
建物自体にトンデモ設定はあっても、トンデモ展開はなく、きちんと人間の仕業です。
この辺は安心して読める。
トリックは時計を用いた時間トリックだ!
なんてのは誰でも予想はつくけれど、その規模感といったら・・・
元彼の遺言状(新川帆立)
【元彼の遺言状】犯人をでっちあげて遺産をゲットだ!【新川帆立】
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言状を残して、大手製薬会社の御曹司の森川栄治が亡くなった。
弁護士、剣持麗子は、犯人候補に名乗り出た栄治の友人の代理人として、森川家の主催する「犯人選考会」に参加することとなった。
数百億円とも言われる財産の分け前を獲得するべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する---。
殺人の立証は、森川製薬の重鎮三人がOKを出すこと。
麗子は自分の弁護人が犯人と認められた場合に対する、対立する三人がwin-winになるような提案も併せて提出し、犯人と認められようとするが・・・
導入の設定が面白い。文字が大きいのがいいね。
テンポもスムーズでサクサクよめる。
銭ゲバ麗子を始め、遺産相続の面々は癖が強いやつらが多い。
そもそも遺言状を書いた栄治も栄治だよ。
元カノ全員に対しても遺産相続の提案なんかするかね?
でもそれには理由があって・・・
夜市(恒川光太郎)
『夜市』と『風の古道』の短編二編。
今回は、『風の古道』を紹介。
木漏れ日が届く舗装されていない並木道。という雰囲気を感じる古道。
夜になると人ならざるものが徘徊する危険なところだけれどちょっと歩いてみたいと感じてしまった。
本当ならわくわく古道体験記で終わるところが、友人が死んでしまったからさぁ大変。
その後、無事古道から帰還した主人公だったが、古道の記憶は曖昧になってしまった。
終わり方が妙に切ないのだ。
これは成長の物語ではない。
何も終りはしないし、変化も、克服もしない。
道は交差し、分岐し続ける。
一つを選べば他の風景を見ることは叶わない。
私は永遠の迷子のごとく独り歩いている。
私だけではない。誰もが際限のない迷路のただなかにいるのだ。
特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来(南原詠)
Vtuber活動ってパソコンで配信しつつ、スマホで顔認証しているのかと思ったらちゃんとした機材でやるんだね。
機材の精度次第でキャラクターとの連動性も上がり、より人間らしく振る舞える。
本作は、天ノ川トリィというVtyouberがフリマで買った撮影機材が高性能すぎた問題。
野良機材だったはずなのに、最新レーザー技術を使用しており、それが特許侵害として、レーザー技術を持つ企業から訴えられたというもの。
Vtuberという新しい話題と特許侵害を組み合わせた作品。
特許のことも分かりやすく説明してくれるのでサクサク読むことができた。
野良犬の値段(百田尚樹)
テレビ局や新聞社に復讐するために浮浪者を誘拐した犯人。
浮浪者を誘拐して、身代金を要求して・・・
どんな復讐を達成するのだろう?
と思ってたら、お金だけ。
「お金だけかよ~」
なんてバイオレンス展開が無いことにガッカリしてしまった僕は、過激なことを求めすぎているような気がした。
でも、現代社会で殺しなんてリスク以外の何物でもないもんなー
創作だからって過激さを求めることも良し悪しだよね。
復讐は”身代金”だけで終わってしまったことに不満だったけど、
犯人サイドも含め、複数の視点からの物語展開は面白かった。
家康、江戸を建てる(門井慶喜)
【家康、江戸を建てる】ピンチをチャンスに!水浸しの地、江戸を発展させよ!【門井慶喜】
家康が何もない江戸を首都に買えるまでに行った治世のお話。
治水、冶金、上水道、江戸城建築。
江戸の町はこうやって作られていったんだ。
という触りの部分を学ぶには持ってこいの一冊。
聖地巡礼、したくなっちゃうじゃないか・・・
あきない世傳金と銀12 出帆篇(髙田郁)
シリーズ感想はこちら
シリーズ12作目。
サブタイトルの出帆篇とあるように、五鈴屋江戸本店での呉服の商いが復活し、より事業を大きくしようと商いの大海原へ一歩踏み出す巻。
吉原花魁衣装比べ会楽しみだなぁ
何者(朝井リョウ)
平均的な能力しかなく、たいした努力もしていないのに、『何者かになりたい!』
なんて願いだけは人一倍。
その願いも、『何者になる』とか『ビッグなる』とか『面白いことをしたい』とか、ふわっとしていることばかり。
作中にそんな連中がわんさか出てくる。
ただ、就活を通して、経験から、友人の指摘などから自分は『何者』でもないことに気づき、等身大の自分を見つめて生活を送ることができるようになる。
作中の登場人物の誰に羞恥心のツボを押されるかで自分がどんな人間なのか客観的に観測できるのが面白い。
あなたはどの登場人物が自分に似ていますか?
おまけ漫画編
漫画ももっと詳しくなりたいな。沢山読まなくっちゃ!
BLUE GIANT(石塚真一)
【BLUE GIANT】JAZZにかける熱意に胸を打たれる逸品【石塚真一】
ジャズに魅せられた主人公が高校からサックスを独学で習い始める。
圧巻なのが努力描写。
毎日河原でサックスを吹き続けるんだけど、それが真夏の炎天下だったり、雪が降る年末だったり。
雨が降ったら雨が防げる場所に移動して何時間も練習する。
それを、毎日毎日愚直に行う。
他人が真似できないレベルの反復ってほんとスゲーわ。
最初は我流で練習していて、正しい技術を教えてくれる師匠が出てきて、演奏が上手くなって・・・。
成長と共に周りにも認められだすのがいいよねぇ
主人公のハイパーポジティヴさを僕も見習わなくっちゃ。
自殺島(森恒二)
【自殺島】自殺未遂者たちが送り込まれた無人島でサバイバル生活【森恒二】
自殺未遂者たちが政府に拉致られて無人島送りにされてしまう本作。
人生に終わりを迎えることができなかった自分たちに絶望しながらも、皆で協力して無人島で生活を営んでいく。
行動しなければ生きられない環境。
みな、死ぬことも忘れて、今を生きることに必死になる。
辛いけれど充実している。
今まで得られなかった充足感を不便な無人島で感じる面・・・。
生活するだけじゃなくて、お互いの主張の違いや、他グループとのいざこざを通して成長していく。
不便になり、自分で動き出さなきゃ得られない体験ってあるよねぇ
まとめ
今年の後半は読書熱が出なかったなぁ・・・
忙しい中でも時間を作って読んでいこう。
来年も面白い本に出合えますように・・・