『のぼうの城(和田竜 著)』読了。
現埼玉県行田市辺りにあった忍城(おしじょう)を舞台にした時代小説。
埼玉北部に馴染みがある人は読んでほしい作品。
もくじ
あらすじ
天下統一目前の豊臣秀吉は、関東最大の勢力北条家氏の小田原城を攻略しようとしていた。
北条家は豊臣家に抵抗するべく、関東各地の支城の城主に籠城に参加するよう通達した。
支城の一つであった忍城にもその通達は届いた。
領主成田氏長(なりたうじなが)は、従うように見せかけ、裏では豊臣側への降伏を内通していた。
成田家氏が降伏を決めていることを知りながら、石田三成は大軍勢を率いて忍城に迫る。
戦を仕掛けるふりとしたら、成田家の総大将・長親(ながちか)は「戦」を選択した。
当の氏長より降伏を知らされていた重臣たちは、混乱したが、やがて覚悟を決め、忍城籠城戦は幕を開けた・・・
最終的に
(でく)のぼう様率いる成田軍、守手3000人(家臣500+農民2500)
VS
石田光成率いる豊臣軍、寄手23000人(全て正規兵)
の戦。
いくら地の利があるからって、これは勝てんでしょ。
なんて思ってたら、成田軍が緒戦は勝っちゃう。
創作だったらハァ?ってなるけど、史実なんだもんなぁ。
んで、三成は兼ねてからの野望だった水攻めの実行を宣言するんだけど・・・
って、ちょーっと待てぃ!!おれ、あの辺の地理、少し知っているぞ。
あそこ、水源なんか無いだろ!!
三成「荒川と利根川から水を流し込み、忍城を水没させる!!」
!?
三成「総延長28kmの堤防つくったった」
!!??
もうね、スケールがね・・・
創作だったらハァ?ってなるけど、史実なんだもんなぁ・・・
最終的には、領民たちに慕われるのぼう様の徳パワーで民主が裏切り。
水攻めは、失敗におわる。
いくらやってみたかった。とはいえ、費用が掛かりすぎですよ。
歴史小説?
歴史小説って時代考証とか、当時の説明とか多くて展開がゆっくりな印象なんだけど、
『のぼうの城』は、説明省いてスピーディーな展開。その分読みやすい。
そのため、歴史小説として読むとがっかりするかも。
割り切って、”痛快”歴史小説として読むべし。オススメ。
終わり方がいい
水が引いて、三成軍が総攻撃を行おうとする矢先、小田原城が落城したとの知らせが成田勢にももたらされ、忍城も開城する。
小田原城落城時までもちこたえた支城は忍城だけだった。