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【フォルトゥナの瞳】他人の身近な死が見えるようになった青年が選択する物語【百田尚樹】

小説『フォルトゥナの瞳』ハードカバー表紙

小説『フォルトゥナの瞳(百田尚樹 著)』の感想レビュー。

あらすじ

幼い頃に家族を火事で失い天涯孤独の身となった木山慎一郎は、友人も恋人もなく、
自動車塗装工として黙々と働くだけの日々を送っていた。
だが突然「他人の死の運命」を視る力を手に入れ、生活は一変する。
はじめて女性と愛し合うことを知った慎一郎の「死の迫る人を救いたい」という思いは、
無情にも彼を窮地へと追いやり……。
生死を賭けた衝撃のラストに心震える、愛と運命の物語。

感想

突然、他人が透けて見えるようになった主人公の木山慎一郎。
透け度が高ければ高いほど死が近いことを意味する。

あらゆることに優柔不断でイライラさせられる主人公だったけど、
能力を手に入れてから自分の意志で選択することが増えてきて人間らしくなってきた。

僕は、戦争経験世代ではないので、
自分の大切な人は寿命が縮まっても助けたいけど、
それ以外は、大勢死のうが別にどうなってもいい。
という考え方。

主人公は、葛藤し『個』よりも『公』を選択した。
僕にはとてもできないよ。

ページの残り数で結末の方向性が見えてしまうんだよなぁ

優柔不断主人公にイライラさせられるけど、一気読みしてしまいました。
オススメ!

###ここからネタバレ注意###
 
 
 
 
 
 
 
 
 

葵はなぜ慎一郎を止めなかったのか?

エピローグの展開は良かったけど、なんで葵は慎一郎が死ぬと分かっていて止めなかったんだろう?
すごく気になる。

なぜ助けない?

彼が最後まで悩んでいたのも知っていた。
でも、私は彼に生きて欲しかった。
弱い私がそうしたように、多くの人を見殺しにしてでも、生を選んで欲しかった。
私との人生を選んで欲しかった。

そう思うなら、説得すればいいじゃん!
「私も同じ能力を持っています。あなたを救います」
で解決じゃないの?
能力を持っていたと独白したから薄情さが際立って見えてしまうんだよな。

助けると寿命が縮まるのを知っていた?

でも、同じ能力を持つ人間と出会うのは初めてっぽいんだよな。

まさか自分と同じ「目」を持つ人間に出会うとは夢にも思っていなかった。

どこで能力の特性に気づいたのか、という疑問がでてくる。
自分で何人か救って、体の不調がわかるようになったとか?

寿命が縮むから慎一郎を見殺しにした。
ってオチだったら、報われなさすぎるよなぁ

葵を助けたから慎一郎は死んだ?

慎一郎が私を誘ったのは、私の体が透けていたからだ。
あの時、彼は私を助けようと思い、声をかけたのだ。

葵を助け、愛を知ったからこそ、慎一郎は死に向かったと考えると、
黒川の「むやみに救うな。良くないことになるぞ」
にも合致するし、説得力がある展開な気もする。

葵は能力の特性を全て把握していた?

・助けると寿命が縮まる
・助けると後々に良くないことになる

葵は、上記の能力特性を把握していたからこそ、
慎一郎を見殺しにしたのか?

・・・それが事実だったとしても、なんだかなぁ
それでも、私は慎一郎と一緒にいたい!!
みたいな展開のほうが燃える(萌える)よ。

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