小説『蒲生邸事件(宮部みゆき 著)』の感想レビュー。
もくじ
あらすじ
予備校受験のために上京した受験生・孝史は、二月二十六日未明、ホテル火災に見舞われた。
間一髪で、時間旅行の能力を持つ男に救助されたが、そこはなんと昭和十一年。
雪降りしきる帝都・東京では、いままさに二・二六事件が起きようとしていた---。
大胆な着想で挑んだ著者会心の日本SF作品!
感想
1936年(昭和11年)にワープした孝史は蒲生家の下働きとして過ごす。
平和な時代に生まれた人間がみるクーデターという現状。
っても、そこまで鬼気迫った感じはしなかった。
どちらかというと、蒲生邸の殺人事件?の方がメイン。
ラストのワープもののお約束的展開。いいっすね。
あとで、二・二六事件と蒲生憲之について調べてみよう。
この作品はフィクションであり、蒲生憲之陸軍大将はまったく架空の人物です。
モデルや原型となった陸軍軍人も存在してはおりません。
そっか、病気がちになって今までの意見を180度変えたおじいちゃんはいないのか・・・
二・二六の簡単な知識編
二・二六事件とは?
陸軍内の派閥の一つである皇道派の影響を受けた一部青年将校らは、かねてから「昭和維新、尊皇斬奸」をスローガンに、武力を以て元老重臣を殺害すれば、天皇親政が実現し、彼らが政治腐敗と考える政財界の様々な現象や、農村の困窮が終息すると考えていた。
彼らはこの考えのもと、1936年(昭和11年)2月26日未明に決起する。
決起将校らは歩兵第1連隊、歩兵第3連隊、近衛歩兵第3連隊、野戦重砲兵第7連隊等の部隊中の一部を指揮して、岡田啓介内閣総理大臣、鈴木貫太郎侍従長、斎藤實内大臣、高橋是清大蔵大臣、渡辺錠太郎陸軍教育総監、牧野伸顕前内大臣を襲撃、首相官邸、警視庁、内務大臣官邸、陸軍省、参謀本部、陸軍大臣官邸、東京朝日新聞を占拠した。
そのうえで、彼らは陸軍首脳部を経由して昭和天皇に昭和維新を訴えたが、天皇はこれを拒否。
天皇の意を汲んだ陸軍と政府は彼らを「叛乱軍」として武力鎮圧を決意し、包囲して投降を呼びかけた。叛乱将校たちは下士官兵を原隊に復帰させ、一部は自決したが、大半の将校は投降して法廷闘争を図った。
しかし、事件の首謀者達は銃殺刑に処された。
皇道派
日本文化を重んじ、物質より精神を重視し、ソビエト連邦を攻撃する必要性を主張した(北進論)。
統制派
当時のドイツ参謀本部からの思想的影響が濃く、中央集権化した経済・軍事計画(総力戦理論)、技術の近代化・機械化、中国への拡大を支持していた(南進論)。
結局、派閥争いだったの?