漫画『君たちはどう生きるか(吉野源三郎 著、羽賀翔一 絵)』の感想レビュー。
ものの見かた、いじめ、人間同士のつながり、貧困、友人への裏切り、等々
いつの時代でも普遍的な悩みというのがあると思う。
小学生のコペル君を通して、各種問題の解答を得ていく物語。
児童文学の形をとった教養教育の古典の漫画化作品!
あらすじ
旧制中学二年(15歳)の主人公であるコペル君こと本田潤一は、学業優秀でスポーツも卒なくこなし、いたずらが過ぎるために級長にこそなれないがある程度の人望はある。
父親は亡くなるまで銀行の重役で、家には女中とばあやがいる。
同級生には実業家や大学教授、医者の息子が多く、クラスの話題はスキー場や映画館、銀座や避暑地にも及ぶ。コペル君は友人たちと学校生活を送るなかで、さまざまな出来事を経験し、観察する。
各章のあとに続いて、その日の話を聞いた叔父さんがコペル君に書いたノートという体裁で、「ものの見方」や社会の「構造」、「関係性」といったテーマが語られる、という構成になっている。
感想
古典名著の漫画版ということで、リバイバルブームが起きた本作。
僕も遅ればせながら読ました。
構成は、漫画で分かる○○系とにた展開。
100%漫画という訳ではなく、おじさんの手記の場面では活字が何ページにもわたって掲載されている。
100%漫画の気分で読みだしたから意外だった。
まぁ、そういう演出も悪くない。
手記の内容は濃いし、漫画にしたらページ数が増えそうだしね。
手記は、コペル君が読んでいるていなので、
ページ下部に申し訳程度でコペル君の手があるのが面白いねw
物語は、コペル君は友達がケンカに巻き込まれているのを目撃するも、
足がすくんで助けに行けなかったシーンをおじさんに告白するところから始まる。
悩みを聞いたおじさんは、
今までの出来事をしたためた手記(というか日記みたいなもの)をコペル君に渡す。
場面は変わって、コペル君とおじさんの出会いの場面。
コペル君との出会い、
コペル君が自力で発見したことをおじさんが手記にしたため、
自分の感想も記述していくという展開。
漫画シーンは回想で、
手記を読むシーンが現実。
コペル君が手記を読みながら漫画のシーンを思い出しているという演出。
物語を通して、
・ものごとの捉え方
・いじめについて
・人間同士のつながり
・貧困
・偉大な人間とは?
・友人への裏切り
という中学生あるあると思いきや、
30代のおっさんが読んでも即答できないようなテーマ。
若い頃に読んで、出した答えと、
経験を積んだ30代くらいで読み返して出した答えが
どのような違いが出るのか試してみたい内容。
最後にコペル君は叔父への返答としてノートに自分の将来の生き方について決意を書いて、
さらに読者に対して「君たちは、どう生きるか」とたずねるかたちで物語は終わる。
うーん、難しいテーマだ・・・
オススメです!