『推し、燃ゆ(宇佐見りん 著)』の感想レビュー。
あらすじ
逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。
アイドルグループまざま座の上野真幸を“解釈“することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し——。
感想
タイトルの通り主人公が推しているアイドルが炎上する話。
推しが炎上するのが主軸かと思うけど、まともな生活が出来ない(≒発達障害?)高校生の女性が主人公。
勉強ができない(やる気がないじゃなくて理解ができない)、
片付けができない、
周りに馴染めない、
と発達障害丸出しな女子高生、あかり。
心のよりどころがメジャーアイドルグループ『まざま座』の上野真幸。
ライブには行くし、グッズも買い漁る。
握手券のためにCDは複数買い。
推しのためなら苦手なアルバイトだって・・・
推しの行動を自分なりに解釈し、ブログで綴る毎日。
推し仲間が増えてきたある日、推しが女性を殴って大炎上。
それでも応援するあかり。
そして、推しの引退。
拠り所が無くなったあかりはどうやって生活していくのか?
アイドル系の小説だと期待するとかなり内容が違うので驚く。
本当は、発達障害の子が生きづらい日々の生活をアイドルに依存してなんとかこなしていく話。
あかりのすっとろさに読んでいてイライラするけど、こういう子って実際居るのかもしれない。
作中の言葉
電車の座席に座っている人たちがどこか呑気で、のどかに映ることがあるけど、あれはきっと「移動している」っていう安心感に包まれているからだと思う。
自分から動かなくたって自分はちゃんと動いているっていう安堵、
何もしないでいることが何かをするよりつらいということが、あるのだと思う。
分かるわ~
何もやっていないと、不安なことばかりが頭をよぎってしまう。
何でもいいから動いていたほうが余計なことを考えなくていいし、進んでいる感があるよね。