映画『老人Z(北久保弘之 監督)』の感想レビュー。
介護問題×ロボット=老人Z
もくじ
あらすじ
看護学校に通う晴子はボランティアで高沢老人の介護を行っていたが、高沢が最新型介護ロボット「Z-001号機」のモニターに選ばれ、お役御免となってしまう。
見舞いに行った先でチューブだらけになった高沢の姿を見てショックをうけた晴子は高沢を助け出そうとするも失敗し、実習先で知り合った老人ハッカーらに助けを求める。
老人介護を扱った作品
今(2020年)でこそ人口に対する高齢者比率は30%に到達しそうな勢いだけど、
老人Zが劇場公開された1991年にはそんなに老人介護問題って注目されていたのだろうか?
高齢者率は、12~13%ほど。
作中では、寝たきり?の独居老人に訪問介護している姿や、
老人ホームのような施設で集団生活している老人たちの姿が描かれている。
厚生省が主体になって、最先端のIT技術を投入して、介護問題を解決しよう。
という、現在でも通用する内容となっている。
90年台に想像した介護問題とその解決方法と、
現代との違いも楽しめる作品。
Z-001の説明
現代でやれるようになったこと、まだできていないことを比較してみると面白い
Z-001の真価が問われるのが在宅独居老人に対してなのであります!
入浴
高周波によって毛穴にある垢までも洗い流されております!
入浴は定期的に行われるようにプログラミングされております
排泄
この問題が老人を家庭からそして社会から疎外したとしても過言でもないでしょう
内臓のコンピュータが微妙な尿意、便意を読み取り、
適切にソフトにかつ衛生的に抽入処理をしてくれます
娯楽
テレビ、ラジオ、電話は無論事の事、
コンピュータを使った、
音楽、株式、競輪競馬、オートレースにボートレース・・・
将棋、囲碁、チェス、オセロ、テレビゲーム・・・
また、他のベットに寝ている友人との会話、これは同時に四人までの友人とテレビ電話が可能です
食事
一週間分の食事を蓄えておくことができます。
味の趣味も本人に合わせてインプットできます
運動
寝たきりのままに行える運動装置も備わっています
背骨を伸ばすストレッチ運動、
寝たまま行われる歩行動作、
ボート漕ぎ、浴槽を使った水泳も可能です
健康管理
内蔵された心電計、脳波計で常にメディカル情報を
コンピュータによる自動診断装置により的確な正確な診断を行います
投薬、酸素吸入などの応急処置を行います
そして・・・
![Z001説明](https://full-full-life.com/wp-content/uploads/2020/05/rouzin-z-setumei.jpg)
そうです第六世代コンピュータです!
学習し考える第五世代コンピュータの上をいく、
自己増殖機能をそなえたスーパーウルトラコンピュータ
自ら成長し、改良し、発展していく夢のコンピュータなのです!
動力は原子力です。
超小型原子炉を内蔵しています!
えっ?
『自己再生』『自己増殖』『自己進化』だって?
それってもしかして・・・
感想
自己成長する介護ロボットってなんだよw
実際、周りの機械を取り込みつつ、自己成長、自己進化を繰り返し成長していく。
軍事転用できる技術を転用して作られた介護ロボットの暴走。
とんでもないことが起こる・・・!
と思いきや、AIの根底にあるのは”介護”。
取り込まれた老人の願いをかなえるために鎌倉の海を見に行くことだった。
パロディ風に介護問題を扱っているけど、考えされられる作品だった。
オチも、生きとったンかワレェ!だったw