小説

【スモールワールズ】誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集【一穂ミチ】

『スモールワールズ』表紙

『スモールワールズ一穂ミチ』の感想レビュー。

短編6編

ネオンテトラ

あらすじ

不妊治療をしている夫婦の妻麻子視点。
浮気をしている夫、育児放棄気味な妹。
依存してくる姪っ子。
そんな日々の中、両親のDVから逃げるためにコンビニで時間をつぶしている中学生を発見。
中学生に餌付けをして週一程度の話し相手を確保する麻子だが・・・

感想

子どもなら自分の子でなくていいの?
愛情を向けた相手の遺伝子さえ入っていればそれでいいのか・・・?

こんなのが続くの?

魔王の帰還

あらすじ

豪気な性格の姉が離婚して帰省してきた。
破天荒な姉に振り廻される鉄二。
鉄二の高校生活は一体どうなってしまうのか・・・?

感想

姉こと魔王の行動に振り廻される鉄二。
が、裏表が無く、義に厚い姉の行動は周りを巻き込んでいく。
いつしか、鉄二や奈々子の悩みも解決していくのであった。

そんな姉だけど、姉には姉の悩みがあり、最後には姉自身も吹っ切れて・・・
一番好きな話。

ピクニック

あらすじ

母が娘の子を一日預かった時に、脳震盪で死んでしまった。
母は故意に殺したんじゃないか?と警察に疑われ勾留されてしまう。
子を失い、母が捕まり憔悴してしまった娘は、死んでしまった姉のことを知る。
娘は母を信じ切れることができるのか・・・?

感想

誰の視点かわからないまま、物語は進む。
最後数行で誰視点か分かると同時に、ホラー的な終わり方。
だから警察も疑っていたのね・・・

花うた

あらすじ

兄を殺した犯人と、兄を殺された妹の
刑務所と娑婆の文通物語。

感想

文通を通して親交を深めていく二人。
最終的に妹は犯人の後見人になった。
トンデモ展開なんだけど、締め付けてくる兄から解放してくれた犯人に感謝している部分があったのかもしれないね。

愛を適量

あらすじ

自分の親切は周りも感謝しているに違いない!
と、本当は迷惑しているのにも気づかずに暴走親切をしていた慎悟は、
ある事件をきっかけに、「本当は迷惑だった」という事実をしらされる。
そこから無気力に数十年、ただ過ごす日々。
そんなある日、離婚して没交渉だった娘がアパートにやってきて・・・

感想

相手のことを考えて本当に親切かを考えて行動しなくちゃね。
タイトルの通り『適量の愛情を』。
それでも、500万円持ち逃げする娘も凄い。

式日

あらすじ

一話の虐待中学生が成長して登場。
虐待父親の葬式に行く勇気が無いからなのか、先輩を誘い、葬式へと出向く。
出向いた先で虐待を受けた時の気持ちを先輩に吐き出していく・・・

感想

1話から続く伏線!
みたいな情報を先に見てしまい、期待値が高まってしまった。
伏線が張られていたというより、1話の登場人物が再登場したという展開。
虐待されていた父親によく20万円の葬式(火葬のみ)をひらいてあげたよなー。
僕だったらもう、無縁仏上等になっちゃうよ。

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