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【雪の断章】孤児だった私を拾ってくれた人への感情は感謝?それとも恋?【佐々木丸美】

『雪の断章』ハードカバー表紙

小説『雪の断章(佐々木丸美 著)』の感想レビュー。

あらすじ

迷子になった五歳の孤児・飛鳥は親切な青年に救われる。
二年後、引き取られた家での虐めに耐えかね逃げ出した飛鳥に手を伸べ、手元に引き取ったのも、かの青年・滝杷祐也だった。
飛鳥の頑なな心は、祐也や周囲の人々との交流を経て徐々に変化してゆくが・・・。
ある毒殺事件を巡り交錯する人々の思いと、孤独な少女と青年の心の葛藤を、雪の結晶の如き繊細な筆致で描く著者の代表作。

感想

生後間もなく捨てられ、孤児院で育てられた孤児飛鳥♀が主人公。
5歳で本岡家に給仕係として引き取られるも嫌がらせを受け何度か逃亡(家出)。
家出中に滝杷祐也と出会い、7歳の時に引き取られる。
7歳の女児を引き取り、一人暮らしの家で育てる青年・・・変態じゃねーか!

現在なら幼児誘拐になりかねない事案の中、住居を手に入れた飛鳥ちゃんの成長物語なのである。

倉折 飛鳥(くらおり あすか)

本作の主人公。
本作は飛鳥が小学生~大学生(20才前後?)までのお話。
物事をハキハキこなすけど、
肝心なことは他人に相談せずにすべて自分の内側で完結してしまう。

そのまま自己完結してればいいのに、落としどころが分からなくて癇癪おこしたり、
嫉妬したり、家出したりと周りに見える形で発露してしまう。

その行動が合う合わないで作品が楽しめるかに直結していると思う。
僕は、正直キツかった。
もっと周りに相談しろよ・・・

裕也LOVEながら、それが育ててくれた恩なのか、
恋から来るものなのか、しばらく分からなかった。

滝杷 祐也(たきえ ゆうや)

7歳の飛鳥を奉公先から無理やり引き取った変態おじさん。
飛鳥7歳の時、裕也は22~27歳ほどだと思われる。
年の差、15~20歳!
※明言はなかったはず。

裕也は本当は教育者になりたかったのだけれど、親の反対で商社務めに。
教育者としての熱意が飛鳥を引き取る原因になっているんだけれど・・・
最終的に自分の妻にしようとする辺り、洗脳教育のそれですよ!

アパート住まいながら、裕福な家庭の出であり、通いのお手伝いさんもいる。

近端 史郎(おうはた しろう)

祐也の同僚、同い年?
引き取った早々、飛鳥を妻にしようと考えるロリコンおじさんその二。
軽口を言い、飄々としているものと思いきや、飛鳥に対してはかなりの奥手だった。

けじめのつけ方が・・・死ぬほどのことかよ!?
理由の大半が飛鳥と一緒になれないから・・・なんてことはないよな?

本岡家の人々

職権乱用で談合したり、左遷させたり、
従業員に嫌がらせしたり、
飛鳥に復讐するために同じ孤児院から子供を引き入れたりと、
一族総出でどうしようもない人たち。

それでも、犯罪とまではいかない行為?
自業自得とはいえ、殺されるほどの事か?
復讐するにしても、もっとやりようはあったと思うぞ・・・

トメさん

そこまで飛鳥に敵意があったのだろうか?
教育の一環だと感じていたけど。

それとも、対裕也の恋のライバルとして飛鳥を認めていた?

おじさん

アパートの管理人さん。
名前を明かされない人。

飛鳥に家出しては探し、
癇癪起こしては助言をし、と縁の下の力持ち。
飛鳥の人格形成に一役買っているひとであろう。

厚子さん

飛鳥のあこがれの人。
この人にだったら裕也さんを取られても良かった?

順子

飛鳥の高校の同級生。
孤高の人。
飛鳥とはウマが合い切磋琢磨している。

この子のお陰で飛鳥はグれなかったのかもしれない。

感想の感想

子どもの成長物語とみれば美しい感じだけど、
飛鳥の引き取ってくれたことには感謝してるけど・・・
みたいな行動にはイライラさせられる。

全て周りに相談しないことが原因で一人で妄想して自分の心に引きこもって癇癪起こしているだけだからね。
そりゃ十代前半ならそれもいいだろうけど、大学生になっても同じ精神構造で周りに迷惑かけるんだもんなぁ・・・
関わっている人は大変だよ。

札幌生まれの著者の北海道の冬の描写はリアリティがあった。

あと、講談社版のハードカバー、字が小さくて読みづれぇよ!!

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