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【あい 永遠に在り】関寛斎の妻、あいの一生を描いた小説【高田郁】

『あい 永遠に在り』文庫表紙

小説『あい 永遠に在り(高田郁 著)』の感想レビュー。

あらすじ

上総の貧しい農村に生まれたあいは、糸紡ぎの上手な愛らしい少女だった。
十八歳になったあいは、運命の糸に導かれるようにして、ひとりの男と結ばれる。
男の名は、関寛斎。
苦労の末に医師となった寛斎は、戊辰戦争で多くの命を救い、栄達を約束される。
しかし、彼は立身出世には目もくれず、患者の為に医療の堤となって生きたいと願う。
あいはそんな夫を誰よりもよく理解し、寄り添い、支え抜く。やがて二人は一大決心のもと北海道開拓の道へと踏み出すが・・・。
幕末から明治へと激動の時代を生きた夫婦の生涯を通じて、愛すること、生きることの意味を問う感動の物語。

感想

幕末から明治までを生きた実在した医者、関寛斎の妻あいを主人公にした小説。
あいは、寛斎と同郷で四歳年下。
本編は、四つのあい(逢編、藍編、哀編、愛編)と四つの拠点で物語は進む。

逢編

あいが生まれ育った上総国山辺郡前之内村(現在:千葉県東金市)の山村が舞台。
耕せど耕せど豊かにならない農家出身のあいと、
養子で叔父夫婦の子として医者を目指している寛斎の出逢いの物語。

あいが5歳(1839年)ごろから始まり、18歳で寛斎と結婚。
寛斎は、地元で医者を始めるが一向に患者は来ることが無かった。
あいは、得意な機織りで生計を助けながら子を出産する。

藍編

地元は誰も病院に来てくれなく腐っていたところに、
師匠の佐藤泰然からの推薦によって銚子で医院を開業することができた。

あいも銚子に引っ越し生活を始める。
あい夫婦は、醤油醸造業の濱口梧陵と出会い、
医療に力を入れていた梧陵は、寛斎に対し、
東京のコレラ防疫のために江戸へ最新のコレラ知識を学ばせにいかせたり、
長崎へ留学させるなど支援をおこなった。

藍染が盛んな街であいも藍染で着物を作っていた。
なので藍編?

哀編

武士の称号を得、徳島へ
別便で送っていた家財道具が全て水難で紛失してしまう。
無一文になったあい一家は徳島での生活を始める。

寛斎は、藩主に評価されるものの、
周りの医者たちの嫉妬を受けてしまう。

あいもみすぼらしい恰好で過ごしていたので、
「武士のくせに・・・」
と噂をされ肩身が狭い思いをする。

それでも、寛斎の評判は次第によくなり、徳島での生活も安定していくのであった。

愛編

八男四女、計12人の子も半分になってしまった。

時代は明治に変わり、廃藩置県後も問題なく過ごせていたあい夫婦だが、
寛斎は北海道に居る息子の開拓事業を手伝うという。

「子や孫に囲まれ、何不自由なく穏やかな老後を過ごす。
ひとはそれを老いの幸せと言うが、私はそうは思わない。
生命のある限り、ひとは自らの本文を精一杯に果たすべきなのだ。

寛斎の覚悟はあいと離縁し、単身北海道に挑むというものだったが、
あいは自信も北海道に行くという。

北海道陸別町への開拓は難航し、
あいは徳島から北海道への長旅と、加齢とが相まって、
逗留地から陸別町へ行くことはできず生涯を閉じる。

まとめ:凄い信念

公私の私の部分が希薄な寛斎。
貧乏人からお金を取らない診療をしているので万年貧乏。
貧乏育ちのあいは問題なく連れ添えたけど、
駆け出しのころは子供にひもじい思いをさせたのではないだろうか?
そりゃ後世から神のような評価を受けるわけだよ。

それを支えたあいも凄いよな~
そんなあいの一生を綴った物語。

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