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【銀河英雄伝説7怒濤篇】自由惑星同盟の滅亡、古兵の最後に乾杯【田中芳樹】

小説『銀河英雄伝説7怒濤篇』表紙

小説『銀河英雄伝説7 怒濤篇(田中芳樹 著)』の感想レビュー。

シリーズ感想

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怒濤篇のあらすじ

「新帝国」の皇帝ラインハルトは、
オーベルシュタイン、ミッターマイヤー、ロイエンタールの帝国軍三長官を前にしていた。
自由惑星同盟軍を退役し年金生活を送っていたヤン・ウェンリーの監視役レンネンカンプ上級大将が、
同盟軍の不穏分子に拉致されたあげく自殺した事件の責任を問われたヤンの処遇について検討するためであった。
「予はこの際、ヤン・ウェンリーと同盟政府との間隙を利用し、あの異才を予の麾下にまねきたいと思っている」
ラインハルトの言葉に帝国の中枢はざわめき立つ・・。

一方、退役生活に別れを告げ、“不正規隊”を連れエル・ファシルの独立革命政府と合流したヤンは、二度目のイゼルローン攻略を目論む。
一方、自由惑星同盟を完全に粉砕するべく、首都ハイネセンへ艦隊を差し向けたラインハルトに、同盟軍の宿将ビュコックが最後の抗戦を試みた。
圧倒的劣勢のなか、護るべきもののために立ち上がった老将と若き皇帝の激戦は、英雄たちに何をもたらすのか。

怒濤篇のできごと

・第2次ラグナロック作戦
・イゼルローン再奪取作戦(第10次イゼルローン攻防戦)
・マル・アデッタ星域会戦
・自由惑星同盟の滅亡

アニメでいうと、65話~76話まで。

7巻のもくじとアニメタイトル

小説とアニメのタイトルはリンクしていることが多いのでメモ。
小説の時系列とずれてたり、一部が異動しているのが面白い。

第一章:黄金獅子旗(ゴールデンルーヴェ)の下に
→アニメ
66話「黄金獅子旗(ゴールデンルーヴェ)の下に」

第二章:すべての旗に背いて
→アニメ
65話「すべての旗に背いて」

第三章:「神々の黄昏(ラグナロック)」ふたたび
→アニメ
67話「『神々の黄昏(ラグナロック)』ふたたび」
68話「エル・ファシルへ」

第四章:解放・革命・謀略その他
→アニメ
68話「エル・ファシルへ」
69話「イゼルローン再奪取作戦」

第五章:蕩児たちの帰宅
→アニメ
70話「蕩児たちの帰宅」

第六章:マル・アデッタ星域の会戦
→アニメ
71話「マル・アデッタ星域の会戦(前編)」
72話「マル・アデッタ星域の会戦(後編)」

第七章:冬バラ園の勅令
→アニメ
73話「冬バラ園の勅令」

第八章:前途遼遠
→アニメ
73話「冬バラ園の勅令」
74話「前途遼遠」

第九章:祭りの前
→アニメ
75話「雷動」
76話「祭りの前」

アニメの演出

小説にはなかったり、タイミングが違うアニメ独特の演出が好き。

ポプラン、カリン、シェーンコップ

シェーンコップとカリンの父子関係と、
それを仲介するポプラン。

ポプラン株爆上がりのやりとり。
アニメ版の演出が好き。

「シェーンコップ中将、すこしまじめに言いますと、
あの娘は自分自身で感情をもてあましているし、
それを的確に表現する術も知らんのです。
年長者のがわが、出口へさそってやるべきだと、俺は思いますね。
出過ぎたことを言って申し訳ありませんが」

「いや、今年は記録と記念に残すべき年だ。
俺の知る限り、はじめて良識的なことを言ったな、お前さんは」

「それはまあ、娘が父親の罪をせおうこともなかろうしね」

「まったくだ。ついでに言っておくなら、
おれの娘ということで甘えることのないようにしてもらいたいな」

「きびしい父性愛、おそれいりますよ」

運命には逆らえませんから

ルイ・マシュンゴ少尉の口ぐせ。
妙に好きなんだよな。
小説版だとほとんど言わないのがさみしい・・・

ビュコックの最後

ラインハルトと通信にて。
映像があると、余計に感情が揺さぶられる。
特に、ビュコックの目がもう・・・

「皇帝ラインハルト陛下、わしはあなたの才能と器量を高く評価しているつもりだ。
孫を持つなら、あなたのような人物を持ちたいものだ。
だが、あなたの臣下にはなれん」

「ヤン・ウェンリーも、あなたの友人にはなれるが、やはり臣下にはなれん。
他人事だが保証してもよいくらいさ」

「なぜなら、えらそうに言わせてもらえば、
民主主義とは対等の友人をつくる思想であって、
主従をつくる思想ではないからだ」

「わしはよい友人が欲しいし、誰かにとってよい友人でありたいと思う。
だが、よい主君もよい臣下も持ちたいとは思わない。
だからこそ、あなたとわしは同じ旗をあおぐことはできなかったのだ。
ご好意には感謝するが、いまさらあなたにこの老体は必要あるまい」

「・・・民主主義に乾杯!」

立派な男たち

自由惑星同盟の公僕たちの毅然としたやりとり。

本日10時30分、
銀河帝国皇帝を自称するラインハルト・フォン・ローエングラムなる者、
法律上の■なくして議場の見学を申請す

自称(笑)

怒涛篇の感想

自由惑星同盟が滅亡するという怒濤の展開。
が、民主主義の水を飲んで育ったヤン・ウェンリーはイゼルローンを奪還して・・・
ラインハルトとヤンが戦場で相まみえるのは時間の問題。

ビュコックの最後がかっこいいが悲しい。
充実した人生を生きた人間の最後という感じがする。
チュン・ウー・チェンも優秀で株が上がったよね。

アニメ見ているから展開はしっているんだけど、
後世の歴史家たちの文章が随分と怪しい発言をしている。

>ユリアンがヤンと語り明かした最後の夜となった・・・

とか。
リアルタイム勢は不穏な雰囲気を感じ取っていたんじゃないだろうか?

うーん、八巻を読むのが怖い。

続き・・・
【銀河英雄伝説8乱離篇】銀河帝国軍、ついに停戦と会談を表明。しかし、魔術師還らず【田中芳樹】

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