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【銀河英雄伝説10落日篇】ラインハルト逝去。伝説が終わり、歴史が始まる【田中芳樹】

小説『銀河英雄伝説10落日偏』表紙

小説『銀河英雄伝説10 落日篇(田中芳樹 著)』の感想レビュー。

もくじ

シリーズ感想

【銀河英雄伝説1黎明篇】根強い人気を誇る架空戦記伝説ここに開幕!【田中芳樹】
【銀河英雄伝説2野望篇】原作を読み、アニメを見返す至福の時間【田中芳樹】
【銀河英雄伝説3雌伏篇】帝国と同盟、繁栄と衰退の明暗がハッキリと見えてくる【田中芳樹】
【銀河英雄伝説4策謀篇】戦争よりも政治闘争や戦略に比重があるまさに策謀回【田中芳樹】
【銀河英雄伝説5風雲篇】ヤンとラインハルトついに直接対決!自由惑星同盟の運命はどうなる!?【田中芳樹】
【銀河英雄伝説6飛翔篇】つかの間の平和。私怨から来る思い込み陰謀論【田中芳樹】
【銀河英雄伝説7怒濤篇】自由惑星同盟の滅亡、古兵の最後に乾杯【田中芳樹】
【銀河英雄伝説8乱離篇】銀河帝国軍、ついに停戦と会談を表明。しかし、魔術師還らず【田中芳樹】
【銀河英雄伝説9回天篇】ロイエンタール叛乱!?銀河と歴史は血を欲す【田中芳樹】
【銀河英雄伝説10落日篇】ラインハルト逝去。伝説が終わり、歴史が始まる【田中芳樹】←イマココ

落日篇のあらすじ

新帝国歴003年、皇帝ラインハルトは、ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフを皇妃にすると発表した。
ヒルダの中に宿った小さな生命は、ローエングラム王朝の平和と繁栄の象徴だった。
宇宙の覇者の婚礼を祝う盛大な歓声の中で挙げられた結婚式の途中、「ハイネセンで暴動」の報がもたらされた!
さらに航路データが消去される事件。
背後にはルビンスキーの影が・・・。
荘厳なるスペース・オペラ、堂々の完結編!

怒濤篇のできごと

・ラインハルト、ヒルダ結婚式
・オーベルシュタインの草刈り
・ダウンディング街騒乱事件
・柊館炎上事件
・シヴァ星域会戦
・ラインハルト逝去

アニメでいうと、100話~110話まで。

10巻のもくじとアニメタイトル

小説とアニメのタイトルはリンクしていることが多いのでメモ。
小説の時系列とずれてたり、一部が異動しているのが面白い。

第一章:皇妃(カイザーリン)誕生
→アニメ
100話「皇妃ばんざい!(ホーフ・カイザーリン)」

第二章:動乱への誘い
→アニメ
101話「動乱への誘い」
102話「敢えて武器を手に」

第三章:コズミック・モザイク
→アニメ
102話「敢えて武器を手に」
103話「コズミック・モザイク」

第四章:平和へ、流血経由
→アニメ
104話「平和へ、流血経由」
105話「昏迷の惑星」

第五章:昏迷の惑星
→アニメ
104話「平和へ、流血経由」
105話「昏迷の惑星」

第六章:柊館(シュテッヒパルム・シュロス)炎上
→アニメ
106話「柊舘(シュテッヒパルム・シュロス)炎上」

第七章:深紅の星路(クリムゾン・スターロード)
→アニメ
107話「深紅の星路(クリムゾン・スターロード)」

第八章:美姫(ブリュンヒルト)は血を欲す
→アニメ
108話「美姫(ブリュンヒルト)は血を欲す」

第九章:黄金獅子旗(ゴールデンルーヴェ)に光なし
→アニメ
109話「黄金獅子旗(ゴールデンルーヴェ)に光なし」

第十章:夢見果てたり
→アニメ
110話「夢、見果てたり」

アニメの演出

小説にはなかったり、タイミングが違うアニメ独特の演出が好き。

フィッシャーの死亡フラグ

10巻にあった。

最後の戦いにのぞんで、フィッシャー中将はヤンとの打ち合わせをおこない、
別れるまぎわに、めずらしく冗談を口にしたという。
おだやかな表情と不器用な口調で。
「私もこのごろ、ようやく艦隊の動かしかたに、すこし自信が持てるようになりました。
平和になったら、えらそうに本など書いてみましょうか。
アッテンボロー提督にばかり印税をかせがせることもありますまいし」

オーベルシュタインの正論

正論だけど、感情的に肯定できないみたいな場面が多かった。
嫌われているけど、憎めないキャラクターなんだよなぁ

「軍事的浪漫主義者の血なまぐさい夢想は、このさい無益だ。
百万の将兵の生命をあらたに害うより、一万たらずの政治犯を無血開城の具にするほうが、いくらかでもましな選択と信じる次第である」

マシュンゴの最後

あの口癖はアニメオリジナルだった!?

「人は・・・運命には・・・逆らえません・・・から・・・」

思い出話

この言い回しは文章の方が響いた。

ふいに、ユリアンは小さく身震いして、会議室に集う同志たちを見まわした。
彼は、この人たちの想い出話などしたくなかった。
この人たちと想い出話をしたかったのだ。

ホクスポクス、以下略

正しい呪文は・・・

ホクスポクス・フィジプス、ホクスポクス・フィジプス・・・繰り返し

アイゼナッハ喋る

アニメ版の驚き方が面白い

小説

「チェック・メイト」
その声は低かったが、周囲の静寂さを圧してひびき、
僚友たちはそれぞれの個性に応じた驚きの表情で彼を眺めやった。
ウォルフガング・ミッターマイヤーを除いた他の四名は、はじめてその僚友の声を聴いたのであった。

アニメ

「チェック・メイト」
「!?」
「は、初めて聞いた・・・」
「あいつ、口がきけたのか!?」
ウォルフガング・ミッターマイヤー以外は、初めて聞くアイゼナッハの声であった。

皇帝病の正式名称

変異性劇症膠原病
ヴァリアビリテートゥ・フルミナント・コラーゲネ・クランクハイト

ノイエ・サンスーシーの・・・

アニメ

こらあ、ノイエ・サンスーシーのオカマ野郎ども!
さっさと宮殿にもどって、舞踏会の警備でもしてやがれ!
貴様らの持っている銃は貴婦人のスカートをまくり上げるためにしか使い物にならない飾りだろう!

小説

こらあ、ノイエサンスーシーの(表記不可能)野郎ども!
さっさと宮殿にもどって、舞踏会の警備でもしてやがれ。
きさまらにできる芸当は、貴婦人のスカートを、銃剣の先でまくりあげることぐらいだろうが!

ワーレンとの面会にて

微妙な表現の差。

アニメ「卿とは、たしか以前会ったことがあるな。記憶違いかな」
小説「卿とは、たしか地球で会ったことがあるな。それとも記憶ちがいかな」

オーベルシュタインの死亡ネタバレ

ミッターマイヤー
ミュラー
ビッテンフェルト
メックリンガー
ワーレン
アイゼナッハ
ケスラー
この七名が、後世において、
「獅子の泉の七元帥」
と称されることになる。

あれ?オーベルシュタインは?
→15ページ以内に死亡

落日篇の感想

落日

・沈もうとする太陽。入り日。落暉。落陽。
・物事の勢いが衰えることのたとえ。

主要キャラがバッタバッタと死んでいく最終巻。
それでも、まだまだ生存しているけど。

最終巻だからなのか、僕も郷愁の気持ちが強くなる。
ムライの「君や私にとって、イゼルローン時代は確かにあった・・・」
僕にもあったよぉぉ~っ(´;ω;`)

伝説が終わり、歴史が始まる。
10巻続いた銀河英雄伝説もこれでおしまい。

アニメ、小説と違いがあり、二度楽しめる作品!
オススメです!

えっ、外伝もあるってか!?

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